CS自力出場の可能性が消滅、崖っぷちの川崎ブレイブサンダースに求められる「死にものぐるい」を40分間貫く覚悟
勝てば中地区2位に浮上できる大一番で、守備崩壊の負けパターンに陥って大敗
川崎ブレイブサンダースは、4月21日にホームでシーホース三河と対戦。前日の第1戦を69-65と制していた川崎は、この試合に勝てば中地区2位に浮上できるチャンスだった。しかし、スピードに乗った三河のオフェンスを止めることができずに81-97と完敗。自力でのチャンピオンシップ(CS)出場の可能性が消滅し、残り4試合で中地区4位、ワイルドカード5位に転落してしまった。 第1戦は三河にトランジションを出させずロースコアに抑えて競り勝ったが、この日は重量級のダバンテ・ガードナーから機動力のあるザック・オーガストに先発を変えた三河に立ち上がりからアップテンポな流れに持ち込まれる。そして最後まで三河ペースで試合が進み、大量失点で痛恨の一敗を喫してしまった。 川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは次のように敗因を語る。「相手の先発ビッグマンが(ジェイク)レイマン選手、オーガスト選手と機動力があるところで、出だしで走られてしまいました。そこを止めても、守備の準備が遅れているので、ズレを作られて3ポイントシュートでやられたのが痛かったです。ここまで勝てていた試合は3ポイントを我慢して抑えて、2点でタフショットを打たせることができていました。今日は、どっちもやりきれなかった。タフショットにしたのにリバウンドを取りきれない、我慢しきれなかったのが大きかったです」 この試合の前まで川崎は5連勝中だったが、その大きな要因はディフェンスで我慢することができていたから。しかしこの試合は、3月末から4月頭にかけ千葉ジェッツ、広島ドラゴンフライズを相手に、すべて90失点以上の守備崩壊で4連敗を喫した時と全く同じ内容だった。指揮官が言及したように、相手に走られる展開に持ち込まれると対抗することができない、同じ過ちを繰り返してしまった。
「追いかける展開になると、相手のスコアラーのドライブ、シュートに過剰に反応してしまう」
川崎のチームリーダーである篠山竜青は、7アシストと攻撃の起点として奮闘。しかし、第4クォーター序盤には相手のビッグランを呼び込む2ポゼッション連続のオフェンスファウルを献上してしまった。 「今日は効果的に3ポイントをやられてしまったのが大きかったです。昨日あれだけ失点を抑えることができて、今日も同じように簡単に3ポイントを打たせないイメージで入りましたが、対策されてノーマークを作られてしまうなど修正しきれなかったところはあると思います」 このように試合を振り返る篠山は、さらに先手を取られたことで、対応が後手に回ってしまったことも痛かったと続ける。「連勝中は、スタートダッシュに成功していました。リードした状況だと(3ポイントを抑えて)相手に2点シュートを決められても我慢しながらオフェンスでやり返すことができていました。それが追いかける展開になると、相手のスコアラーのドライブ、シュートに過剰に反応してしまう。そこからズレが大きくなってノーマークが生まれたのは昨日と今日の違いだと思います」 CS出場圏外と崖っぷちな状況の川崎は、各選手がポストシーズンと同じ負けたら終わりの一戦必勝のメンタリティーで臨んでいると強調してきた。第4クォーターに4-17のランを許すなど終盤に崩れてしまったが、篠山は、「最後まであきらめずにオフェンスリバウンドに飛び込んで、何度もチャンスを作ってというところもありました。気持ちが切れたとは思っていないです」と語る。