【シンガポール】東宝が現法、自社作品のライセンス事業展開
映画大手の東宝は、シンガポール法人の運営を開始した。アジアで人気映画「ゴジラ」シリーズといった自社作品のライセンス事業などを展開する拠点とする考えだ。 国際事業を手がける傘下の東宝グローバルを通じ、東宝エンターテインメント・アジア(TEA)を2月に現地で設立。11月1日に事業を開始した。 東宝グループがこれまで日本国内や北米で培ってきた知見を生かし、アジアの市場動向やニーズを把握。細やかな対応を進めることでゴジラや東宝のアニメレーベル「東宝アニメーション」が制作したアニメ作品などのライセンス事業や、マーチャンダイジング(商品化)などの各事業を広く展開していく。 東宝グループは2032年までの長期経営戦略で、市場開拓の余地が大きい海外での事業拡大を目指している。アジア市場での事業展開を担う拠点として、多くの日本企業が進出しているシンガポールに新会社を設立した。 海外ではこれまで、米国に現法の東宝インターナショナルを置き、ゴジラや自社のアニメ作品などの展開を推進してきた。海外事業に関する意思決定や事業展開の機動性向上に向け、昨年10月に国際部門を別会社化して東宝グローバルを設立していた。 合併・買収(M&A)でも、昨年から今年にかけてタイのアニメ制作スタジオであるイグルー(IGLOO)スタジオや、米国の配信プラットフォーム向けにドラマ制作・販売などを手がけるフィフス・シーズンに出資。北米でアニメを配給するGKIDSを子会社化するなど海外事業の拡大を進めている。