レオパレス21の業績と株価が"長いトンネル"を抜けた理由
営業損益が3期ぶりに黒字に転換。つれて株価も急伸したレオパレス21(写真:記者撮影)
建築した賃貸アパートの施工不備が2018年に発覚したサブリース大手、レオパレス21(8848)の業績が“長いトンネル”を抜けようとしている。つれて、同社の株価も急騰。年明けから200円を挟んでモミ合っていたが、5月16日以降は騰勢を強め、23日には2020年3月以来の高値となる330円まで上伸している。 前2022年3月期決算は、当初予定していた5月13日15時の開示時刻直前に監査法人に「不正がある」との通報が入り、開示が週明け16日9時にずれ込むハプニングがあった。ただ、通報内容は1989年の貸付金をめぐるトラブルや、2015~2021年にあった仲介契約の不正(客の横流し)など、すでに調査や社内処分を終えた事案で、今回の決算に影響が出るものではなかったという。 前期決算は、建築請負業務を停止している影響から、売上高こそ前々期比2.6%減の3983億6600万円となったものの、営業利益は17億7400万円(前々期は291億8200万円の赤字)、純利益も118億5400万円(同236億8000万円の赤字)と、それぞれ黒字に転換した。 この結果、前々期末に東京証券取引所の基準で84億9400万円の債務超過だった財務状況は、自己資本がプラスに転じ、同基準で14億2500万円の純資産計上に至った。東証での上場維持に求められていた2023年3月期までの債務超過解消は、1年前倒しで達成することとなった。
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森 創一郎