東部ブフレダル、数日中に陥落も ロシア側も2年で装備1000点・数千人犠牲
ロシアはまた「ピュロスの勝利」を重ねるか
ロシア国防省は兵員を補充し、第155海軍歩兵旅団を再び戦闘に投じた。だが、同旅団は短期間のうちにまた壊滅状態になった。英国防省は2023年4月、「第155旅団はブフレダル近郊で戦術的に欠陥のある正面突撃に投入された結果、過去半年で少なくとも2回目となる戦闘不適状態に陥った可能性が高い」と指摘している。 第40海軍歩兵旅団の損害はややマシだったのかもしれないが、大差はない。また、ソーシャルメディアへの投稿画像を精査してこの戦争での装備の損害を集計しているウェブサイトのWarSpottingによると、ロシア側の戦車やその他の戦闘車両、トラック、砲などの装備の損害数は両海軍歩兵旅団や支援する陸軍部隊の合計で1000ほどに達している。 これが2個旅団の装備総数に相当するのはおそらく偶然ではない。ロシア軍が2年7カ月にわたる激戦で出した累計の装備損害数の6%弱にあたるほどの多さでもある。一方、ウクライナ側はこの正面で主に塹壕や掩体に隠れて戦い、攻撃してくるロシア軍部隊をある程度遠くから地雷や大砲、ミサイル、ドローンで撃退してきたので、損害ははるかに少なかった。 第40海軍歩兵旅団はいまは数キロメートル西の南部戦線に移っていて、ブフレダルに対する攻撃は陸軍に任されている。2回の壊滅状態から復活した第155海軍歩兵旅団のほうは、ウクライナ軍が侵攻しているロシア西部クルスク州で反撃に投入されている。 ブフレダルの廃墟の占領がはたしてこれらの旅団の度重なる壊滅的損害に見合うものなのかは、ロシアの政権や不運な部隊の生存者らにしか答えられない問いだろう。
David Axe