磯部中が磯部小校舎に移転へ、25年度から 震災影響で生徒数減少 福島・相馬
福島県相馬市は、東日本大震災の影響で生徒数が大幅に減少している磯部中を、近くにある磯部小の校舎に移転させ、同校舎での授業を2025年度から始める方針を固めた。同一の校舎で生徒と児童が学ぶ環境を生かし、より連携した教育活動を目指す。市は12月2日に開会する予定の市12月議会に、関連する議案を提出する見通し。 市教委によると、両校は施設を一体的に利用しながらも、これまで通り組織上は独立し、校長は小学校、中学校にそれぞれ配置する。震災前の10年度に68人いた磯部中の生徒は現在11人、磯部小の児童は117人から15人に減少していた。両校は少人数でも教育活動を維持しようと、学校行事や震災後注力している防災教育を合同で実施していた。生徒や児童は、直線距離で約300メートル離れている両校の校舎を行き来していた。 震災前、両校がある磯部地区には2116人(11年2月末時点)が暮らしていたが、津波で壊滅的な被害を受けた。高台に位置する両校の校舎は直接的な津波被害を受けなかったが、生徒や児童を含む住民251人が犠牲になった。地区の一部が災害危険区域に指定され移転が進んだことなどから、現在の人口は868人(10月末時点)で、震災前の4割程度となっている。
福島民友新聞