リアルに手足を一本ずつ伸ばして絶壁を登っていくガチなロッククライミングゲー『Cairn』が面白すぎ!【TGS2024】
美しい大自然の中に広がる絶壁を、わずかな出っ張りに足をかけ、懸命に手を伸ばしながらじっくりと登っていく。次第に震える手足に、早まる呼吸。限界を超えるその間際、力を振り絞って体を引き上げる。中腹にささやかに広がる草原に爽やかな風が吹き抜けていく。 【記事の画像(6枚)を見る】 フランスのインディースタジオThe Game Bakersの新作『Cairn』は、そんなロッククライミングの困難と達成感を兼ね備えたアクションゲームだ。本日よりビジネスデーが開幕した東京ゲームショウ2024に出展(Hall3-C06/架け橋ゲームズブース)されるデモをプレイしたので、その内容をご紹介しよう。 “1ターン=1本の手足”でじっくり登っていく、肉体的な感覚が伴ったロッククライミング クライミングをテーマにしたゲームには『Getting Over It with Bennett Foddy』系の延長にある高難度なネタゲー寄りの『A Difficult Game About Climbing』や、クライミングをアクションパズル的に解釈した『Jusant』、VRゲームの『The Climb』シリーズなどがあるけども、『Cairn』はもうちょっとシミュレーション的なアプローチの作品と言えるだろう。 本作では登るコースは自分で決められるし、ボタンを押すたびに手足を一本ずつ伸ばしてどこに置くかを決め、着実に岩肌を掴んでいかなければならない。これは比喩ではなく、本当に“1ターン=1本の手足”で段階を踏んで登っていくのだ。アナログスティックを入力した方向に進めるように自動的に両手両足を動かしてくれたり、スタミナメーターがある限りどんな体勢でもポンポン進めたりはしない。 手足の置き場所を多少は補正してくれるが、基本的には一挙手一投足をどこに置いていくかアナログスティックでひとつずつ決めていく。 まずは左手、次は右手、そして左足……といったようにじっくりと登っていくスタイルは、パッと見は地味だし面倒に感じるかもしれない。けれどもそこには肉体的な感覚が伴っているし、だからこそ数メートルの難所をくぐり抜けただけでも達成感がある。 とはいえゲームの作りと求めるペースがそうというだけであって、難度までガチンコのシミュレーター的に無闇に難しいわけではないので安心して欲しい。ヤバそうな感じになってきたら手足をリラックスさせて回復をはかることもできるし、ピトン(ハーケン)を打ち込んで小休止することもできる。チュートリアルでは説明されないチョークなどを使ってみるのもいいだろう。(ちなみに、登りきって不要になったピトンはお供の多脚ドローン“クライムボット”が回収してくれる) TGS会場でプレイする際はプレッシャーを感じることもあるだろうが、焦らずに主人公の様子(呼吸や手足の震え)を観察しながらしっかり一手ずつプレイするのをオススメしたい。焦って落ちるより確実にプレイした方が結果的に速くなるようなゲームだ。 引いたカメラからトライしたルートを振り返り可能。これまでよりは進めているが……。 ちなみに、道中では回復アイテムでもあるタンポポやイラクサを摘めたり、中腹になる各所にある紋章のようなものが描かれた場所でビバークしたりできる。ビバーク中はインスタントラーメンや植物を調理して回復をはかれるので、たどり着いた人は試してみるといいだろう。 ビバーク地点では料理を作って食べて回復できる。 というわけでデモで遊べるのはチュートリアル部分と最序盤の比較的小規模の壁のみだが、そのポテンシャルは十分に感じられた次第だ。コントローラーを通じて伝わってくる肉体的な感覚の面白さは文字で伝えきれないので、TGS会場に行かれる方はぜひ実際に触ってみて欲しいところ。っていうか早くもっとデカい壁を登りたい! 来年の発売を予定している製品版では、巨大な“ボス壁”や天候変化などが立ちはだかり、チョークやフィンガーテープなどの物資のマネージメント要素なども関わってくるそう。またストーリーモード以外に、アルパインスタイルとフリースタイルを選んでさまざまな課題に挑戦する“エクスペディションモード”も搭載されるとのこと。 製品版では“ボス壁”的な巨大な壁や、天候変化なども用意される模様。