ロシア機領空侵犯の証拠公表、自衛隊トップ「どう対応するか検討」
自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は3日の記者会見で、ロシア軍哨戒機による領空侵犯に対し、日本政府の抗議を露政府が拒否したことについて、証拠などを示して反論するか問われ、「どのように対応するか引き続き検討したい」と述べた。 【別カット】領空侵犯したロシア軍のIL38哨戒機 吉田氏は露政府の主張について「領空侵犯したのは間違いなく3度確認し、飛行経路や航空機の写真などを公表した」と指摘。その上で「これ以上の証拠などについては引き続き検討する。いずれにせよ、引き続き対領空侵犯措置を厳正に行っていく」と述べた。 露軍のIL38哨戒機は9月23日午後1時台から午後3時台にかけ、北海道礼文島沖の領空に3度にわたり入った。航空自衛隊は戦闘機を発信させ、3度目の侵犯時には初めて火炎（フレア）を使用して警告を示した。 しかし、露外務省のザハロワ情報局長は10月2日、「日本側が主張する情報の根拠を持ち合わせていない」と述べ、日本側の抗議を拒否したことを明らかにした。 平成30年に海上自衛隊哨戒機が韓国海軍駆逐艦から火器管制レーダーを照射され、その後、韓国側が事実関係を否定した際、防衛省は機内の警報音や動画などを公表して国際社会に理解を求めていた。
