米ORNL、100kWの無線給電達成 結合コイルで96%の効率
米エネルギー省が管轄するオークリッジ国立研究所(ORNL)は電気自動車(EV)向けに100kWの無線給電の実験に成功した。回転磁界を伴った多相電磁結合コイルを使って96%の効率を得たとしている。 【関連写真】直径35センチの結合コイルを利用 ORNLの研究者たちが使用した特許取得済みの給電システムは電磁界を使い、5インチのエアギャップを挟んで韓国現代自動車のEV「Kona」に無線で電力供給した。給電プロセスは小型家電製品への無線充電とほぼ同じという。 ORNLが使用した軽量の多相電磁結合コイルは直径が14インチ(約35センチ)強、より小さなコイルでより高い電力密度が可能。 研究グループは、Konaクラスの車両用ワイヤレス給電システムとしては世界最高の電力密度を達成したと語り、従来のコイル技術の8~10倍の電力密度に達し、20分以内でのバッテリー充電を50%増やすことも可能と説明している。 ORNLは、21年には無線給電技術大手の米HEVOに、1平方メートルあたり1.5MWという電力密度の電力を供給できる技術をライセンス供与している。
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