無償で1トンの米…学校給食用に農家が提供 価格高騰を受け「家庭の負担軽減につながれば」 福井県小浜市
コメの価格高騰を受け福井県小浜市のコメ農家が、市内の小中学校給食に役立ててもらおうと市にコメ1トンを無償で提供した。提供した農家は「子どもたちにはおいしいコメをたくさん食べてもらい、家庭の負担軽減につながれば」と話す。11月27日には提供を受けたコメが中学校給食に並び、生徒はおいしそうに食べていた。 コメは昨夏の猛暑で品薄となったことが要因で不足し、価格が高騰している。今回寄付した3業者は、給食費への影響を抑えたいと考え寄付することにした。 「食のまちづくり」を掲げる小浜市は、全小中学校の計11校が自校式。小浜市は特に校区で作られた食材を優先的に使用する「校区内型地場産学校給食」を取り入れ、各学校ごとに野菜やコメなど、校区内の生産者と契約を結び仕入れている。 寄付されたコシヒカリ1トンは、市内全小中学校で合わせて1日200キロのコメが消費されるため、約1週間分に当たる。コメは、10月下旬に全小中学校に送られ、順次給食で提供されている。11月27日、提供を受けたコメが小浜中で配膳された。今秋収穫された新米を大盛りにしほおばる生徒もおり、「おいしい」と笑顔で食べ進めていた。 農家が市内の学校に納めるコメの取引価格は大半で据え置かれている。市教委は「市場の価格が上がっている中、契約でコメの価格が上昇するのは自然な流れ。普段から学校の子どもたちの食育に気をかけてもらい、今回も農家の厚意で、価格を据え置いていただいている」と話した。 市によると、多くの学校で年度替わりに米価が上がる可能性はあるという。
福井新聞社