【F1メカ解説】シンガポール圧勝マクラーレン。”ミニDRS”話題のアゼルバイジャンに続きリヤウイングに注目!
マクラーレンのランド・ノリスが、2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に20秒もの大差をつけて勝利したF1シンガポールGP。一時は30秒近い差を開いたこともあり、まさに圧勝という内容だった。 【ギャラリー】シンガポールGPで引退なのか……ダニエル・リカルドの全F1マシン このシンガポールGPのマクラーレンは、その初日からリヤウイングに注目が集まっていた。1週間前のアゼルバイジャンGPで、高速走行時にフラップが動き、メインプレーンとの隙間が開くことによって空気抵抗を減らす”ミニDRS”と呼ばれたシステムを使っていたことが明らかになったからだ。 ただシンガポールGPで本当に注目すべきはそのミニDRSではなく、トレンドとは異なるダウンフォースレベルを採用したことにあったはずだ。 シンガポールでほとんどのチームは、最大量のダウンフォースレベルを採用した。しかしマクラーレンはそうはせず、少しダウンフォースを削ることを選んだ。 金曜日のFP1でマクラーレンは、2台のマシンでダウンフォースレベルを分けた。オスカー・ピアストリのマシンは最大のダウンフォースを発揮するパッケージだったが、ノリスのマシンは少しダウンフォースが削られていた。結局その後、ピアストリのマシンもノリスと同じダウンフォースレベルに変更することになった。 ライバルチームが採用したのは、モナコやハンガリーで使うダウンフォースレベル(メイン写真の◯の中)。しかしマクラーレンは、オランダGPで使ったのと同じリヤウイングを使った。ただ、さすがにそれだけではダウンフォースは足りない。そのためマクラーレンはビームウイングに変更を加え、オランダ仕様のパッケージにダウンフォースを積み増した。 シンガポールGPで使ったビームウイングは、オランダと同じ2枚の仕様だった。その2枚のうちより荷重がかかる下側のウイングはそのままだが、上部のウイングがサイズが大きくなり、ディフューザーとリヤウイングの効果をより引き上げることが目指されたのだ。