高校ブロック大会展望「夏を占う真剣勝負は必見!」関東男子は明日開幕【バスケ】
6.1関東男子から続々スタート!
今シーズンの高校バスケを占う試金石、ブロック大会。いよいよ6月1、2日(土・日)の関東男子を皮切りに、全国9地区で続々と開催される。 ブロック大会では、北海道、東北、関東、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州と、地区ごとに各都道府県の上位チームが火花を散らす。関東地区と、道予選そのものがブロック大会の位置付けとなる北海道をのぞけば、各都府県のインターハイ予選はブロック大会予選を兼ねている。インターハイ出場チームにとっても、そして惜しくも出場権を逃したチームにとっても、初夏に行われるブロック大会は自分たちの力量を測れる貴重な場だ。 特に北信越地区は、能登半島地震の影響で2月の北信越新人大会が中止となったため、これが今シーズン初の県外大会。どのチームも、少しでも多くの収穫を持ち帰りたいところだろう。 また、ブロック大会の成績がウインターカップの出場枠に影響することも見逃せない。2019年以降、ウインターカップの出場枠が男女各60校に拡大され、それに伴って6月のブロック大会優勝校の属する都道府県にその出場権がプラス1枠されるようになった(※出場枠についての正式決定は大会概要発表後。また、関東ブロックについては男女ともにブロック大会の優勝、準優勝校の属する都県に1枠ずつプラス)。 そのため、ただ経験を積むだけでなく、冬の大舞台への切符を増やそうと各チームは高いモチベーションを持って優勝を狙っている。地元を背負ってのプライドを懸けた真剣勝負は、毎年全国大会さながらの熱さだ。 各地区の中でも、男子の注目に挙げたいのが東海、近畿、九州地区だ。まず東海地区は、美濃加茂(岐阜)、藤枝明誠(静岡)、中部大第一、桜丘(ともに愛知)など全国でも名の知れた強豪校がズラリ。2月の東海新人では美濃加茂が、経験豊富なエブナ・フェイバー、後藤宙、深見響敏らを軸に100点ゲームで優勝したが、周りのチームもケガ人の復帰や下級生の成長で着実に力を付けている。そう簡単には同じ展開にならないだろう。 次に近畿地区は、6月8日にインターハイ予選を終える京都府勢を中心に繰り広げられるはず。近畿新人優勝の京都精華学園、瀬川琉久や佐藤凪ら圧倒的な攻撃力を誇る東山、絶対的エース松本秦を擁する洛南など、今年度の京都は群雄割拠。また、報徳学園、育英などの兵庫県勢や、阪南大などの大阪府勢も侮れない。 九州地区は、今年も福岡県勢が決勝に上り詰めるのか、そこに割って入るチームが現れるのか注目。昨年のウインターカップで覇を競った福岡第一と福岡大附大濠は、今年度も県、九州、そして全国を席巻しようと高みを目指している。中でも昨年とほぼ主力の変わらぬ大濠は“勝負の年”。県や九州での経験を、今夏の地元インターハイにつなげたいところだ。そのほか、3月の全九州春季選手権で3位に入った柳ヶ浦(大分)や、同4位の九州学院(熊本)など、九州には手強いチームがそろっている。 そのほか、関東地区の日本航空(山梨)や北信越地区の開志国際(新潟)、中国地区の鳥取城北(鳥取)など、見ておきたい注目チームは多い。 代わって女子に目を向けると、今年も東海地区と近畿地区は見逃せない。東海地区は桜花学園(愛知)と岐阜女(岐阜)が、言わずと知れた全国屈指の注目校。桜花学園は昨年から主軸の深津唯生、阿部心愛ら、今年も多くのタレントを擁する。それを追う岐阜女は3年生が卒業してやや若返ったが、ディフェンス力の高い安藤美優、リバウンドに気を吐くディヤイ・ネイらがチームを引っ張り成長著しい。熱戦は必至だ。 近畿地区は、昨年全国を席巻した京都精華学園と、そのライバルである大阪薫英女学院に注目したい。京都精華は3本柱が卒業したが、下級生の頃から経験を積んできた橋本芽依、桃井優がチームを引っ張るはず。彼女たちを追う大阪薫英女学院は、3年生が抜けてメンバーが大きく入れ替わった。その中で、昨年貴重な経験を積んだ三輪美良々のさらなる成長に期待したい。 そのほかの地区も、注目チームが目白押し。北海道では2年生チームの日本航空北海道、東北地区では昨年の主力が多く残った聖和学園、関東地区では過去2年の雪辱を誓う昭和学院、九州地区では精華女、東海大付福岡といった福岡県勢など、力のあるチームが全国に分散しており、各ブロック必見である。 ブロック大会で各地区の動向や期待の選手をチェックしておけば、この先に続く夏のインターハイ、秋のU18日清食品リーグ、そして冬のウインターカップをますます楽しめるはずだ。 <大会名・日程・開催地> 【北海道】令和6年度全国高等学校総合体育大会北海道予選会/日程:6月20日(木)~23日(日)/開催地:北海道 小樽市 【東北】第79回東北高等学校男女選手権大会兼第60回NHK杯大会/日程:6月22日(土)~23日(日)/開催地:岩手県 一関市 【関東男子】令和6年度関東高等学校男子大会兼第78回関東高等学校男子選手権大会/日程:6月1日(土)~2日(日)/開催地:埼玉県 深谷市、本庄市 【関東女子】令和6年度関東高等学校女子大会兼第78回関東高等学校女子選手権大会/日程:6月8日(土)~9日(日)/開催地:東京都 立川市 【北信越】令和6年北信越高等学校体育大会第63回北信越高等学校選手権大会/日程:6月14日(金)~16日(日)/開催地:富山県 富山市、滑川市 【東海】第71回東海高等学校総合体育大会/日程:6月29日(土)~30日(日)/開催地:岐阜県 岐阜市 【近畿】第71回近畿高等学校大会/日程:6月21日(金)~23日(日)/開催地:和歌山県 和歌山市 【中国】第68回中国高等学校選手権大会/日程:6月21日(金)~23日(日)/開催地:島根県 出雲市 【四国】第77回四国高等学校選手権大会/日程:6月14日(金)~16日(日)/開催地:愛媛県 松山市、伊予市 【九州】令和6年度全九州高等学校体育大会第77回全九州高等学校競技大会/日程:6月15日(土)~16日(日)/開催地:鹿児島県 薩摩川内市 <大会ライブ配信> 『バスケットLIVE』 https://x.gd/dkLAD
文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)