ロシア派遣の北朝鮮兵「偽の身分証」所持、名前はロシア系でも署名は朝鮮語…存在の隠蔽狙いか
ウクライナの特殊作戦軍は23日、ロシアに派遣された北朝鮮兵がロシア生まれなどとする「偽の身分証」を所持しているとSNSで発表した。同作戦軍は、北朝鮮兵の参戦を公には認めていないロシアが、北朝鮮兵の存在や戦闘での損失を隠蔽(いんぺい)しようとしているとみている。 【写真】北朝鮮兵が露極東の訓練場で装備品を受け取っているとされる動画
公表されたのは、ウクライナが越境攻撃を続ける露西部クルスク州で殺害された北朝鮮兵3人が所持していたとする軍用の身分証。3人ともモンゴルと隣接するロシアの東シベリア・トゥバ共和国出身とされ、ロシア系の名前がロシア語で記載されている。
しかし、いずれも所有者の顔写真や発行機関の公印がないほか、所有者の署名だけ朝鮮語で書かれていることから、同作戦軍は「所有者の本当の身元を示すものだ」と強調している。
韓国の情報機関・国家情報院は、露西部での北朝鮮兵の死者は100人以上、負傷者は約1000人に達すると分析している。無人機攻撃への対応が未熟なことが一因だという。
ウクライナ軍が公開した動画では、無人機を不思議そうに見上げる北朝鮮兵とされる兵士の姿がみられる。ウクライナ政府傘下の「偽情報対策センター」のアンドリー・コバレンコ所長は露側が無人機への対応を北朝鮮兵に教えていないとして「(露側が)北朝鮮兵の命に価値がないと考えている」と指摘する。コバレンコ氏によると、露軍は北朝鮮兵が死亡すると、遺体を急いで回収しているという。