鹿児島県 保育人材確保 提言まとまり1月提出 「ワクワク」実現へ 「ここからがスタート」 奄美市円卓会議
第5回(最終)奄美市保育人材確保に向けた官民連携円卓会議が23日、奄美市名瀬の奄美看護福祉専門学校であった。有識者や保育業務従事者、障がい児通所支援事業従事者、市保育政策担当職員の12人で委員を構成。事務局から提言書案の説明があり、内容を確認、最終提言書をまとめた。提言書は、安田壮平奄美市長のほか、市内認可保育施設及び地域型保育事業所の代表に、来年1月中に提出する。最終会議には、同専門学校こども・かいご福祉学科の学生や職員も傍聴した。 待機児童問題を背景に、「保育従事者の労働環境改善」及び「保育人材の確保」に向け、行政と民間が連携し「課題の共有と解決策の検討」が目的。8月から議論を重ねてきた。 事務局の市重点政策推進監が、提言書案を提示、説明。提言書には、▽趣旨▽保育施設や保育行政などにとっての4年後のワクワク(ありたい姿)▽保育を取り巻く現状▽「ありたい姿」と「現状」から導き出す課題▽ワクワクの実現に向けた集中対策―などが盛り込まれた。課題解決に向けての対策は①保育施設の魅力向上②目的を明確化した人材確保の2本の柱と六つの対策及びチェックシートにまとめられ、全会一致で承認した。 座長を務めた、同専門学校の吉村喜美代教諭は「保育の未来をみんなで考え、官民連携で一つの提言ができてうれしい」とした上で、「提言提出がゴールではなく、ここからがスタート。現場で活用し、時代に合わせ進化させながら未来につないでほしい」と語った。 会議を終えた委員からは、「課題解決は保育士一人一人の頑張りでは限界があり、みんなで協力することが近道になる」「保育士にスポットをあてた会が開かれてうれしい」「ワクワクする姿に向かって動き出すことに、ワクワクする」などの声が聞かれた。 傍聴した学生からは、「重労働で低賃金というネガティブなイメージが強かったが、やりがいのある仕事だと改めて感じた」「就職活動を控えて、深く考える良い機会になった。施設見学や特徴を知る機会が多くほしい」などの感想があった。