ズーム、11-1月売上高見通しは市場予想並み-投資家失望し株価下落
(ブルームバーグ): 米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズが発表した11-1月期(第4四半期)の売上高見通しは、投資家の失望を誘い、株価が通常取引終了後の時間外取引で下落した。
25日の発表資料によると、11-1月期の売上高予想は約11億8000万ドル(約1820億円)、一時項目を除いた1株利益予想は1.29-1.30ドル。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は売上高で11億7000万ドル、調整後1株利益で1.28ドルだった。
株価は引け後の時間外取引で約4.5%下落。25日の終値は89.03ドルだった。ズームの見通しはほぼ市場予想通りだったが、新たなサービスを巡る楽観的な見方から8月の前回決算以降、株価は約48%上昇していた。
ビデオ会議システムで知られる同社は、電話サービス、コンタクトセンターサービス、人工知能(AI)アシスタントなど一連のツールを拡大している。
今回の決算に関するプレゼンテーション資料によると、AIアシスタントの月間アクティブユーザー(MAU)数は前四半期比で59%増加。コンタクトセンターサービスの顧客数も1250超となった。
シティグループのアナリスト、タイラー・ラドキー氏は、決算の結果に「大きな問題はなかった」が、決算発表の前に株価は急上昇しており、今回の結果は新たな投資家を引きつけるものではなかったと述べた。
これとは別に、ズームは社名から「ビデオ」を削除し、今後は「ズーム・コミュニケーションズ」に変更すると発表。エリック・ユアン最高経営責任者(CEO)は「この新たな社名は当社の事業範囲の拡大と長期的な成長計画をより正確に反映している」とコメントした。
8-10月(第3四半期)決算は、売上高が3.6%増の11億8000万ドルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均の11億6000万ドルを上回った。一時項目を除く1株利益は1.38ドルだった。
企業向けの売上高は5.8%増の6億9900万ドル。過去1年間に10万ドル以上を支出した顧客は3995に上るという。