「備えは金曜日までに」 気象庁・台風19号で早めの記者会見
雨の影響は長期間になる可能性も
先月、千葉県を中心に大きな被害をもたらした台風15号に関する記者会見で、気象庁は「接近とともに世界が変わる」と呼び掛けた。これは、台風の大きさが比較的コンパクトだったため、急に暴風が吹き始めるということを表現したものだが、今回はどうなのだろうか。 黒良主任予報官は、風について「この台風は大型。影響範囲は広く、強風域も大きい。一気に風速が上がるのではなく、どちらかというとだんだん風が強まってくるという感じ。15号に比べれば、徐々に天気が変わる」と説明。「ただ、それでも接近してきたときに急に風が強まることはあるし、竜巻などの激しい突風の可能性もある」と警戒を呼び掛ける。 また、ほぼすっぽりと本州を覆ってしまうような大型の台風であり、台風周辺に発達した雨雲も見られている。さらに、前線が関東の南海上まで北上する予想となっていて、台風がある南からの湿った空気が流れ込む影響で、台風が接近するかなり前から前線の活動が活発となる見込みだ。局地的に、非常に激しい雨が降る恐れもある。 大型であるため、大雨の影響を長期間受けやすくなることも予想されるため、低い土地の浸水、洪水、土砂災害などへの警戒も必要になる。風が強くなると、屋外での行動が困難になることも予想される。自分の住んでいる地域のハザードマップを確認し、洪水や土砂災害、浸水害の恐れがある場合は、早めに安全確保の行動を取ることも必要になりそうだ。
周囲の被害を減らすための準備を
黒良主任予報官は、今回の台風について、「接近する地域では先月の台風15号や昨年近畿地方などに甚大な被害をもたらした台風21号と同程度の暴風となるおそれがある。11日の金曜日までに暴風等に備えてほしい」としている。 ハザードマップなどで、自分の住んでいる地域がどのような災害に遭いやすいのかを把握できない風に対しては、どのように備えればよいのか。 最大風速が毎秒35メートルを超えると、走行中のトラックが横転したり、樹木や電柱などが倒れたりし、同40メートルを超えると、倒壊する住家や鉄骨構造物が変形したりすることもある。 黒良主任予報官は、大荒れの中、外出しなくて済むように買い物を早めに済ましたり、停電に備えたり、避難が一人で難しい人に気を配ったりするのとともに、周囲の被害を減らすという観点が必要だとしている。「外に置いてあるものが飛んで周囲に被害を及ぼすことがある。強風で飛ばされやすいものは室内に」と呼びかけた。