「備えは金曜日までに」 気象庁・台風19号で早めの記者会見
大型で猛烈な台風19号が日本列島に迫っている。広い範囲に影響を及ぼす可能性があるとして、気象庁は9日、接近・上陸見込みの3日前という、これまでにあまり例のない早い段階で記者会見を開き、11日金曜日までに暴風などへの備えを進めるよう呼び掛けた。 黒良龍太・主任予報官は「週末に3連休が控えており、様々なイベントの開催や交通機関への影響が懸念されるため、これまでより早いタイミングで記者会見を行い、予想される現象を解説することとした」と説明している。 気象庁によると、台風19号は、今後、やや勢力を落とすものの、非常に強い勢力を保ったまま、12~13日にかけて、西日本から東日本のどこかに接近または上陸するおそれがある。現時点では、まだ予報に幅があるが、西寄りのコースを通った場合は紀伊半島あたり、東寄りのコースを通った場合は関東の南海上から東海上を進む予報となっている。
風の被害は西側コースが最悪
黒良主任予報官は、予想の誤差の幅が大きいとしたうえで、「近畿や四国に近い西側のコースを通ると、進路の右側は特に暴風が強まる。風の被害としては最悪のコースと考えている」と説明。また、予報円の真ん中あたりのコースを通った場合については、「1カ月前に千葉県などに大きな被害を及ぼした台風15号と同じようなコースとなる。ただ、15号と違うのは、今回は大型であるという点。影響する範囲は広い。『先月、大したことがなかったから、今回も同じ程度だろう』と思うかもしれないが、そんなことはない。大雨、高潮、暴風などに十分に警戒が必要だ」と話した。 比較的、影響が小さくなると考えられるのは東寄りのコース。ただ、このコースを通った場合についても「暴風とならなくても強風にはなる。大雨、高波などに厳重に警戒が必要」と強調。今から約5年前、大型で強い勢力のまま関東地方に接近した2013年台風26号は、上陸はしなかったものの、西日本から北日本の広い範囲で暴風、大雨となった。この時、東京都大島町(伊豆大島)では大規模な土砂災害が発生し、多数の犠牲者が発生した。「上陸しなくても、甚大な被害が発生している。東側を通っても、影響はある」と話した。