うれしさも悔しさも味わった1年 ソフトバンク岩井俊介「同じ失敗繰り返さない」 インコースの直球磨いて日本Sリベンジ誓う
◆ソフトバンク秋季キャンプ(7日、宮崎) 2年目の来季に雪辱を果たす。ソフトバンクのドラフト2位ルーキー岩井俊介投手(23)が、日本シリーズでのリベンジと来季の50試合登板を誓った。 ■元タレント夫人と腕組みハニカミ2ショット【和田毅秘蔵写真】 日本シリーズではルーキーとして唯一メンバー入り。ただ、3試合に登板するも、1死満塁で登板した第4戦は2本のタイムリーで3点を奪われ(記録は無失点)、再び1死満塁で上がった第6戦のマウンドでは、押し出しの死球と2本の適時打で5点を奪われた(記録は2失点)された。岩井は「楽しんで投げるぞっていう気持ちだったけど、大事なところで行って抑えられなくて、まだまだ甘いなって。全然通用してなかった。反省しかない」と唇をかんだ。 シーズン中にも苦しい経験をした。9月4日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)、3点リードの9回に上がった松本裕樹が右肩痛で緊急降板。同じくルーキーの大山凌が登板するも同点に追いつかれ、その後を託された岩井も粘りきれず逆転を許した。 試合後、ベンチ裏のトイレで1人涙を流した。1時間ほどしてからロッカーに戻ると、ウエートをしていた又吉克樹の姿があった。生まれて初めて味わった苦しい経験。球場で30分、帰りのタクシーでも30分、又吉は親身に話を聞いてくれた。「又吉さんに『おまえまだまだやぞ。俺なんて(中日時代に)3試合連続で先発の勝ち消したことあるぞ』って言われて、それ考えたらまだまだだなって。その話聞いてまだ大丈夫かなって」。通算503登板の鉄腕の言葉に救われた。同22日の楽天戦(みずほペイペイドーム)ではプロ初勝利を手にした。 うれしさも悔しさも味わったルーキーイヤー。2年目の来季は中継ぎとして、50試合登板、防御率1点台を目指す。そこでオフシーズンに力を入れて取り組んでいるのが、「インコースの真っすぐ」だ。シーズン中でも、内角に攻めきれず甘く入った球を仕留められたり、外の球を狙い打ちされたりすることがあったという。「インコースを見せないと上のレベルでやっていけない」。秋季キャンプではブルペンで投球練習をする際、バッターボックスに人形を立たせてひたすらインコースに投げ込むつもりだ。「相手に向かっていく気持ちは継続して、同じ失敗を繰り返さないというか、日本シリーズの舞台でリベンジしたい」。大舞台を経験したルーキーが、成長して再び舞い戻る。(大橋昂平) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社