アルファロメオが新型SUV「ミラノ」を発表。EVと1.2Lガソリンターボを設定
ドライバー優先のコクピットデザイン
こうした姿形によるスポーティさだけではなく、ドライビングテイストはジュリアGTAを開発したチームによってクラス最高の走行安定性(ロードホールディング)を実現したと豪語する。ステアリングギア比は、一般的な乗用車でおよそ17:1、スポーティカーで15:1と言われる中でミラノは14.6:1とかなりクイックな設定をされている。連続するコーナーをクリアしていくときのレスポンスよく駆け抜けるような、軽やかなハンドル感覚を期待してしまう。 しかも、スポーツグレードのヴェローチェは全高を25mm下げるスポーツサスペンションと、フロントとリアに装着されたスタビライザーによってスポーティで素早いコーナリングを実現している。アルファロメオ独自のドライブモード「ALFA DNA」でダイナミックモードを選択すれば、ハンドリングやアクセルレスポンスなどが変化し、パフォーマンスとドライビングプレジャーを高次元で両立させているという。標準で18インチのアルミホイールも、ヴェローチェでは20インチとなる。 ふたつのEVグレードはともにFWDで、搭載するモーターパワーは「エレットリカ」で156psを発生、「エレットリカ ヴェローチェ」で240psと、異なる設定となる。いずれも54kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載して、航続可能距離はWLTPモードで408km(エレットリカ)となっている。 インテリアデザインはスポーツカーブランドらしく「ドライバー志向」。小径のステアリングホイールや双眼鏡のようなデザインのメーターデザインは伝統的で、純粋なスポーツ性を感じられるポイントになっている。興味深いのはセンタークラスターにある10.25インチのディスプレイで、一般的にはドライバーの目線移動を短くするため高い位置に置かれることも多いが、ミラノでは比較的低い位置にドライバーへ向けるような配置となっている。タッチ式ディスプレイをよりハンドルに近い位置とすることで、操作性を優先した設計なのかもしれない。 このほか、コンパクトEVにもかかわらずラゲッジスペース容量は400Lに達し、ハンズフリー技術を搭載して手軽にアクセスできること、ボンネットフード下に充電ケーブルを収納できるフランク「アルファロメオケーブルオーガナイザー」を設置。先進運転支援システムも、レベル2自動運転(アダプティブクルーズコントロール)のほか半自動駐車システムを搭載するなど、利便性を高める機能を有しているのもポイントだ。 なお、欧州ではすでにローンチエディションとなる「ミラノ エレットリカ スペチアーレ(SPECIALE)」の予約注文が始まっている。活況を呈している日本のコンパクトSUV市場への投入時期についてアナウンスされていないが、期待値は相当に高いはずだ。 ●アルファロメオ ミラノ ラインナップ(欧州仕様) ミラノ エレットリカ(156ps/260Nm・FWD) ミラノ エレットリカ ヴェローチェ(240ps/-Nm・FWD) ミラノ イブリダ(1.2L直3ターボ:136ps/260Nm・FF) ミラノ Q4イブリダ(1.2L直3ターボ:136ps/260Nm・4WD) 【主要諸元 アルファロメオ ミラノ エレットリカ】(欧州仕様) ・全長×全幅×全高:4173×1781×1532mm ・ホイールベース:2562mm ・車両重量:-kg ・モーター:交流同期電動機 ・最高出力:115kW(156ps) ・最大トルク:260Nm ・バッテリー総電力量:54kWh ・WLTPモード航続距離:408km ・駆動方式:FWD ・タイヤサイズ:215/55R18