最大18メートルの津波・・・ 目の前は太平洋 高知で整備進む”避難タワー”とは 海水浴場では「目視」での避難誘導策も
地震や津波への対策を講じた県内唯一の海水浴場
巨大地震への注意が呼びかけられるなか、高知県香南市にある海水浴場「ヤ・シィパーク」は、ライフセーバーを県内で唯一配置するなど、地震への対策をとりながら遊泳を開放しています。
避難がすぐ出来るよう浅瀬での海水浴を呼びかけるほか、音声による避難誘導が聞こえにくい人のための対策も採り入れています。 「『津波フラッグ』をふったら、避難してくださいという合図です。1分ほどの場所に津波避難タワーがあり、そこに逃げてもらいます」 (ヤ・シィパーク担当者)
海水浴場の近くには、高さ約15メートルの津波避難タワーがあります。 海水浴場を同時に利用する人は例年最大400人ほどで、タワーには約600人が避難できます。 遊びに来ていた地元の人はー 「津波避難タワーはみんなに根付いている。これがあるから少し安心」
地元住民のシンボル的存在として津波避難タワーを活用
高知県には沿岸部を中心に津波避難タワーが126基あり、静岡県に次いで全国で2番目に多い数です。2011年の東日本大震災をきっかけに、建設が進みました。
なかでも高知県黒潮町にある「佐賀地区 津波避難タワー」は高さ25メートルと国内最大級です。 南海トラフ地震で想定されている、最大18メートルの津波による浸水にも耐えられるつくりになっています。
タワーは7階建てビルに相当する高さで約230人が避難できるほか、100人ほどが入れる居室スペースがあり、食料や寝具なども備蓄されています。
黒潮町では年に2回、役場と住民が連携した町全体での避難訓練を実施していて、タワーの存在も地元住民に浸透しているということです。
黒潮町役場の担当者はー 「津波避難タワーは住民にとって、いざというときに頼りになるシンボル的な存在。地震・津波による犠牲者0人を目指して、タワーを活用していきたい」 (取材 ABCテレビ 渡邊萌々香・三科俊和 )