最新ドライバーは「MAX」だらけ!? ミズノは何がマックスなの? 『ST-MAX 230ドライバー』
では、「安定性」を謳う『MAX』が、どんなゴルファーにマッチしているのか? フェースの高さに対してスイートスポット位置の割合を示す低重心率で比較してみると『X』が64.9%、『MAX』が66.8%。ややではあるが『MAX』のほうが高重心設計になっているため、打球にスピンは入りやすくなっている。重心の深さが打球を上げやすくし、大きめのヘッド左右MOIがミスヒットをカバーしてくれ、さらに打球の飛球を安定させるためのバックスピンも期待できることからも、『ST‐MAX』の『MAX』は、「弾道の安定」を意味するものと考えていいだろう。
日本ブランドならではの「つかまり顔」
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドはロフト角10.5度、シャフトは「標準GM D55」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。
ヘッドを見てみると、全体的にオーソドックスな形状で、『ST-X 230』や『ST-Z 230』のようにオープンフェースではなく、フェースの先に逃げ感もないので、日本メーカー特有のつかまり系ヘッドのイメージが湧きます。 クラブ重量は295.5グラムと「標準」ですが、クラブ長さが45.38インチと「やや長い」ため、スウィングウェイトはD2.3と「やや大きい」。このことから、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントは288万g・㎠と「やや大きく」なっています。この計測数値から推察すると、ドライバーのヘッドスピードが43~44㎧くらいのゴルファーがタイミング良く振りやすくなっています。 実際に試打したところ、アドレスでは『ST-X 230』と比べてシャローフェースになっています。『ST-X 230』よりもひと回り大きな輪郭形状で、安心感があり、構えやすい印象を受けました。米国モデルに多く見られるような強いオープンフェースではないので、球がつかまるイメージも湧きます。 シャフトは前作の「220シリーズ」から継続されている標準モデルで、適度なしっかり感があり、インパクトの再現性も高いものがあります。ヘッドスピードが43~44㎧くらいのゴルファーが扱いやすそうな感じです。 『ST-X 230』と同様に重心深度が浅い設計になっていますが、インパクト付近はレベルにスウィングしやすくなっています。『ST‐MAX』は高重心ヘッドなので適度なスピンが入りやすく、弾道も安定しています。結果的に「厚く強いインパクト」がしやすいドライバーと言えるでしょう。フェース中央面の反発性能は「普通」ですが、安心感と打ちやすさを兼ね備えたドライバーです。 ※週刊ゴルフダイジェスト 2024年4月2日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト
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