災害時支援へ2トントラック改装 静岡県バーベキュー協会 発電設備や非常食、携帯トイレ完備
静岡県内の愛好家らでつくる「県バーベキュー協会」(浜松市浜名区都田町)が災害時の支援活動に向け、2トントラックを独自の「防災型フードトラック」に改装した。発電設備や数百人分の非常食、携帯トイレなどを完備し、大型のバーベキューグリルを搭載したキッチンカー。鳥居克啓会長は南海トラフ地震など大規模災害も視野に、「バーベキューを通じたコミュニケーションで、被災者を精神的にも支援していきたい」と語る。 鳥居会長が東日本大震災などでボランティアとして活動した経験から、被災地、被災者に負担をかけずに被災生活を支援する「自己完結型」のキッチンカーを構想した。日本フィランソロピック財団の「FCC災害用キッチンカー基金」を活用した。 防災グッズだけでなく、フリーWi-Fiや担架、自動体外式除細動器(AED)なども備えた。大人数への料理の提供を想定して調理場は広く設計し、グリルは一度に50人前を調理できる。既に地域のマルシェなどに出店している。 同協会は、災害時のキッチンカー派遣に関する連携協定の締結を目指し、市や県と交渉中という。鳥居会長は「さまざまな事情で、災害時に避難所で生活できない人はいる。行政と連携しながら、行政の支援が届かない部分を担いたい」と言葉に力を込めた。
静岡新聞社