米雇用は変曲点、年内2回利下げ予想を堅持-ゴールドマン
(ブルームバーグ): 米国の労働市場は「変曲点」に立っており、労働需要がさらに軟化すれば求人だけでなく雇用にも打撃を与える段階にあると、ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストが分析した。
ジャン・ハッチウス氏らエコノミストはリポートで、労働需要の現在の強さは不透明だとし、非農業部門雇用者数は伸びている一方、新規失業保険申請件数や失業保険継続申請件数はここ数週間で増加していると指摘した。
ハッチウス氏は「結局、労働需要の主要な原動力は経済活動であり、国内総生産(GDP)成長率は著しく低下している」と指摘。そのため、米連邦準備制度理事会(FRB)が先週「驚くほどタカ派的」な見通しを示したにもかかわらず、9月と12月の「2回、利下げが行われるという当社の予想に自信が持てる」と説明した。
FRB当局者は先週、今年の利下げ見通しを従来の3回から1回に変更した。ゴールドマンは5月時点には7月の利下げ開始を予想していた。
ハッチウス氏は、1-3月(第1四半期)に見られたインフレ率急上昇は「異常」であった可能性が高いとし、年内の今後のデータでは、モノのコアインフレは横ばい、住居費インフレと住居費を除くコアのサービスインフレはともに緩やかに低下するとの見通しを示した。
経済成長見通しについては、最近の減速の大部分は今後も続くだろうと予想している。
「実質所得の伸びは鈍化し、消費者マインドは新たに低下した。選挙関連の不確実性が高まる初期の兆候が見られ、今後数カ月の企業投資の足かせになりかねない」とハッチウス氏は17日付のリポートで指摘している。
原題:Goldman Sees US Jobs at Inflection Point, Sticks to Two Cut Call(抜粋)
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Malcolm Scott