「満足いかない。悔しいです」細谷恭平はセカンドベストで12位も五輪ならず 2028年ロス目指す【東京マラソン】
◆陸上 東京マラソン(3日、東京都庁前―東京駅前) 男子のパリ五輪マラソン代表選考対象大会の最終戦も兼ねて行われ、細谷恭平(黒崎播磨)は2時間6分55秒のセカンドベストをマークして12位となった。 ■細谷のマラソン成績【一覧】 もちろん、目指していたのは日本陸連が設定した2時間5分50秒を突破してパリ五輪の代表をつかむことだった。それだけに「満足はいかないです。最低でも30キロから勝負と思っていたけど、思ったよりも脚にくるのが早かった。途中から修正していくことはできたが、どうしても狙っていたものが狙っていたものなので…。満足いかない。悔しいです」と率直な心境を吐露した。 30キロ付近でペースが落ちた後も懸命な粘りを示した。設定タイムの突破は正直なところ難しいとも感じていた。それでも「粘っていればいつかチャンスが回ってくるかなと。マラソンは最後までわからない。後半にごろごろと前から落ちてきた(レースを)やめる選手も多々見えて。それを見るたびに、最後まで粘ってやろうと思った。無駄にしたくないんで。ここまで準備もしてきたので」と振り返った。 2021年の福岡国際で2位となり、昨年10月のMGCへの出場権を誰よりも早く獲得した。十分な準備期間があった上で臨んだ本番。ところがレース途中で転倒するアクシデントに見舞われて途中棄権を余儀なくされた。自信がある中での出来事だっただけに「すごく準備をしていた。すごく状態はよかった。たらればですけど、アクシデントがなければという思いもある。ただ、そこも含めて実力なんで。実力なんで」と起伏に富んだ五輪選考を回想する。 全力を尽くして走ったパリへの道は断たれたが、苦しい中でもセカンドベストのタイムで粘った内容など、未来につながる大きな糧を得た。「精神的にもしんどかったですね。もちろんみんな一緒だと思うけど、一発のチャンスですごく狭き門。1度少しリラックスして次の目標をしっかり定めて動いていきたい」。今後は来年に東京で開催される世界選手権と、2028年のロサンゼルス五輪を目指していく。 日本勢の最高は2022年世界選手権代表の西山雄介(トヨタ自動車)が2時間6分31秒で日本勢最上位の9位。設定記録は突破できず、昨秋の代表選考会で3位だった大迫傑(ナイキ)の2大会連続の五輪マラソン代表入りが決まった。前回の東京五輪では6位入賞を果たしている。 ベンソン・キプルト(ケニア)が2時間2分16秒の大会新記録で優勝した。女子は新谷仁美(積水化学)が2時間21分50秒で日本勢最高の6位。ストゥメアセファ・ケベデ(エチオピア)が2時間15分55秒で制した。
西日本新聞社