引退会見で話す梶谷隆幸＝東京都千代田区（撮影・加藤圭祐）

悔いなく野球人生の幕を閉じた。巨人・梶谷隆幸外野手（36）が23日、東京都内のホテルで記者会見し、今季限りでの現役引退を表明した。 DeNAで14年、巨人で4年間の現役生活を終え「厳しい世界の中で、18年間できたのは誇りに思う。満足というかやり切った気持ち」と晴れやかな表情で語った。 2007年に島根・開星高から横浜（現DeNA）に入団し、14年に39盗塁で盗塁王。21年にフリーエージェントで巨人へ移籍した。クライマックスシリーズを戦うチームへの配慮もあり、22日に球団に現役引退の意向を伝えたといい「（左）膝の状態が思わしくなく、とにかく体がついていかない」と決断の経緯を明かした。 古巣や家族、ファンへの感謝の言葉が尽きなかった約20分の会見後には、巨人移籍の決め手となった同学年の坂本から花束が贈呈された。「（移籍後は）思い描いたようにいかなかったが、素晴らしい仲間に出会えて一生の財産を得た」。長野、菅野、小林ら11選手が労いに訪れるサプライズで送り出された。 今後については、ポストを用意してくれた球団への感謝を示しつつ「一度、野球から離れたい思いがあって。真剣に考えて、次の人生に向かっていきたい」と語った。けがと向き合い、もがき続けた韋駄天は笑顔で第二の人生に進む。（樋口航）