座長勇退・辻本茂雄の囲み取材全文「僕は吉本新喜劇が大好き」
座長勇退・吉本新喜劇、辻本茂雄「僕は吉本新喜劇が大好き」
吉本新喜劇の座長勇退を発表した辻本茂雄(54)が8日午後、京都市東山区のよしもと祇園花月で行われる特別公演「茂造の夜芝居『茂造の覚悟』」の制作発表会見に出席した。座長勇退発表後の初めての会見で、多くの報道陣を前に現在の心境を語った。 【動画】辻本茂雄が囲み取材で座長勇退の心境を語った(2019年2月8日)
野球選手に例えたら3割打って30本ホームラン打ってるのにやめるのか
──座長勇退についてお聞かせください たぶんその話になるんやろなと思って。いつもより人が多いので(笑)。そうですね、一昨年の暮れくらいに世代交代があるかもという話はいただきまして、そして実際に2月いっぱいやと言われたのが去年の11月の末ですね。初めて聞いたのが一昨年の末くらいですかね。 そうなんやと初め思って、動員数で言えば、野球選手に例えたら3割打って30本ホームラン打ってるのにやめるのかみたいな感じは、ちょっと実感あったんですけども。色々話をしてみて、下がなかなか育ってないということで、このままやったら新喜劇も下を育てないと、年配の方々がどんどんやめていく方が増えている中、僕らが年配になって若手を支えていこうやないかという気持ちを切り替えまして。 僕は吉本新喜劇が大好きで、僕を芸人として育ててくれた場所が吉本新喜劇なんです。元々、二丁目劇場で漫才とかやってたんですが、世間一般で有名になれたのは、辻本茂雄として有名になれたのは吉本新喜劇のおかげやとおもってるんで、今から僕はベテランとして若手を育てていって、恩返しせなアカンなという気持ちです。
プロデューサーに言いに行った「あごネタやめます」
──史上最長の座長ですね ずっとやってきましたけども、色々勉強になりましたね。まず座長になった時に、なんで辻本やねんという空気感が初めあったんです。石田靖君は同期なんですけども、いきなり今田(耕司)さん、東野(幸治)さん、130Rさん、石田靖で座長やったんですね。 内場さんはダウンタウンさんと同期で、ずっと新喜劇で頑張ってこられて、僕もテレビで見てましたけど、岡八郎さん、花紀京さんをツッコんでたすばらしい方だったんで。ツッコミしかやってなかった人間が、この何年かで急に座長になったんで、いろんな皆様の思いはあったと思うんですけど。やっぱり皆様に認めてもらうためには、おもしろい芝居をつくらなアカンということで、色々僕は自分で動いていきました。 はじめ辻本茂雄がやっぱり新喜劇で頑張ってこられたのは「あごネタ」というものがありまして。フランスパンくわえてるとか、それでだんだん世間のみんなに覚えてもらえるようになって、僕はこの新喜劇で売れたいとずっと思ってて、はじめあごネタでずっと出てたらずっと良かったんでしょうけど、やっぱり今田さんとか、内場さん、東野さん、石田君もそうですし、内場さんと石田君と僕と3人座長になった時に「どないしたらええねやろう」と思って。 内場さんと石田君は司令塔で芝居をまわして主役をして、ツッコむという、どないかして頑張ってそこに追いつきたいなと思って、その時のプロデューサーに言いに行ったんです「あごネタやめます」って。そしたら「おまえ、あごしかないやないか、仕事なくなるぞ」って言われて、それでも「僕あごネタやめて違う方向で頑張りたいです」って言ったら、ほんまに3か月くらい仕事なくなったんですよ。ちょっと後悔ありましたけど「絶対、主役でツッコミたい、メーンになる役者になりたい」と思って。 まあ、全然仕事がなかったんですけど、僕の恩師、間寛平さんがですね、たまたま「広島横断公演」というのがありまして、そこで主役だった人がダブルブッキングで出られなくなって、たまたま会社が「おまえヒマなんちゃうんか、出えや」と言うて、寛平さんの広島横断ツアーに出していただいて、その役が僕がやりたかった主役でツッコミなんです。 その後、一生懸命頑張ったら寛平兄さんが、いろんなところで「おい、辻本のツッコミおもろいぞ」と言ってくれて、なんばグランド花月で主役ができるようになったんです。本当に寛平兄さんには感謝で、あの時、あごネタやめてよかったなあと自分で思いますね。