今、最も演技が上手い2世俳優は? 親を超える才能の持ち主(1)同業者も演技力に脱帽…稀代の成り上がり男は?
親の才能を受け継ぎ、独自の特性を活かしつつ、努力をして俳優としてのポジションを確立している2世俳優たち。今回は、タレントを親に持ちながらも、自力で売れっ子になった俳優5人をセレクト。それぞれのキャリアを振り返りつつ、演技の魅力を深掘り解説する。第1回。(文・編集部)
仲野太賀
NHK連続テレビ小説『虎に翼』、『新宿野戦病院』(フジテレビ系)、映画『笑いのカイブツ』、『十一人の賊軍』、『本心』など、数々の話題作に出演し、2024年も引っ張りだこだった仲野太賀。菅田将暉、間宮祥太朗、岡田将生ら、錚々たる面々から演技を絶賛されるなど、まさに、同世代のトップを走る俳優の1人と言っても過言ではないだろう。 仲野の父は俳優の中野英雄。北野武監督作品『アウトレイジ』シリーズで見せた気迫みなぎる芝居で記憶している人も多いだろう。 役者として活躍する父親の芸能界でのキャリアがあったものの、仲野は父親のサポートは一切受けなかったという。さらに、学校から帰ってくるとすぐに部屋にこもり、夜通し台詞の稽古をしていたらしく、父・英雄は息子の演技にかける情熱に脱帽していたそうだ。 今では、数々の話題作に出演する仲野の活躍を自身のSNSで発信し、放送が終わるたびにメールで感想を伝えるという。このことについて仲野は、「もうただのファンっすからね。僕の」とコメントしており、親子の仲の良さが伝わってくる(2021年11月7日放送「ボクらの時代」)。 1994年に放送された「徹子の部屋」に中野が出演した際、黒柳徹子に“太賀”という名前の由来について聞かれると、「僕が無理なんで、子どもだけにはちょっと大河ドラマに出て、主役でも張っていただかないと、と思って。頼むぞと望みを込めて」と語っている。 2026年に放送予定の大河ドラマ『豊臣兄弟』(NHK)の主演が決まり、父親の願いを実現させた仲野。一介の農民から天下人にまで成り上がった豊臣秀吉の生涯は、長い下積み時代を経て、国民的俳優へと成り上がろうとしている仲野の軌跡を思わせるものがある。少し気が早いが、同作でどのような活躍を見せてくれるのか。期待は高まるばかりだ。 (文・編集部)
編集部