巨匠と新鋭の美の競演 ファン魅了 春の院展倉敷展 市立美術館で開幕
現代日本画の秀作を紹介する「第79回春の院展倉敷展」(岡山県倉敷市、同市教委、同市文化振興財団、日本美術院、山陽新聞社主催)が3日、同市中央の市立美術館で開幕した。巨匠から新鋭までの“美の競演”がファンらを魅了している。7日まで。 今春、東京で開催された「春の院展」の出品作から計100点を展観。このうち、院展をけん引する日本美術院同人の優品は34点。松村公嗣さんの「夜桜」は、かがり火に照らされ妖艶さを増す桜を描き、藁谷実さんの「滝音に称名を聞く」は、大地を削りながら流れ落ちる一筋の水が清涼感を漂わせている。 こけむすような廃虚を題材にとった酒井龍一さんの「虚空」など地元作家の2点を含む入選作66点も人気を集めている。 毎回訪れるという来場者(82)=同市=は「どの作品も色合いがすてき。季節の花や動物などモチーフ選びも独特で興味深い」と話していた。 初日は、富士山をテーマにした「不二」を出品する同人井手康人さん(瀬戸内市)らによるギャラリートークもあった。