「水上スポーツ安全に楽しんで」 琵琶湖で人命救助に貢献 伊勢田稔さんに感謝状
■「悲劇の予防は可能」
30年近くボランティアで水上安全指導員を務める中で思うことがある。
「毎年、救助事案はあり、堂々巡りのように感じている。救助されても『俺一人で岸に戻れたのに』とうそぶく人も半分くらい」
もどかしさもある。
「琵琶湖の状況を正しく判断できれば、流されるなどの水難事故が起こる地域や時間帯がわかる。毎年、死亡事故など悲劇が起きるが、予防は不可能ではない。これは、警察、行政など関係者にいいたいこと。レジャーで楽しむ人も安全について十分に考えてほしい」(野瀬吉信)
琵琶湖ではサップなど無動力の船舶による漂流、転覆、衝突事故が相次いで発生し、死者も出ている。
滋賀県警によると、今年(12月18日現在)の無動力船舶の事故は23件(49人)で、1人が死亡、2人が負傷した。4月には高島市の琵琶湖沖でカヌーをしていた男性=当時(71)=が漂流し、死亡している。昨年も19件(48人)の事故があり、1人が死亡、4人が負傷した。