花王のメンズコスメ「UNLICS」が目指す「誰もが美を楽しめる社会」
「肌の調子がいいとうれしい」「メイクできれいに見えるようになると、気分が上がる」。そのような思いに、年齢や性別は関係ないはずだ。 「誰もが自分の思いのままに美の追求を楽しめたら」という思いのもと、花王株式会社からメンズコスメブランド「UNLICS(アンリクス)」が誕生した。 今回は同社でUNLICS PR担当を務める岩田敦紀さんにインタビューを実施。UNLICSが誕生した経緯や本ブランドに込められた思い、商品の特徴などについて、話を伺った。
年齢・性別の垣根なく、美容を楽しめる社会に
ーメンズコスメブランド「UNLICS」を立ち上げた経緯を教えてください。 きっかけは、弊社の男性新入社員が「なぜ男子は堂々と化粧直しができないのか」という素朴な疑問を持ったことでした。昼休みにトイレでメイクを直していたときに、鏡越しに視線を感じたことから、そのような疑問が生まれたのです。 化粧品売り場はどうしても女性の方が多いので、男性は入りづらい雰囲気がありますし、男性向けの美容情報もまだまだ少ないのが現状です。私自身も大学4年生くらいの頃からメイクをしていますが、まさに男性がメイクをする上での障壁のようなものを当初から感じていましたね。 「美容に関しては、まだ男女の垣根が残っているな」と感じたことから、男女関係なく自由に自分の美を楽しめる世の中にしたいと思い、2019年にメンズコスメの開発をスタート。2022年に「UNLICS」のリリースに至りました。 「UNLICS」というブランド名は、「UNLIMITED(無限の)」と「CURIOSITY(好奇心)」という英単語を組み合わせたものです。社内でいろいろとアイディアを出し合うほか、美容感度の高い人へのヒアリングも重ねた結果、「美への好奇心を無限にかきたてる」というブランドの思想をもっとも体現しているこの名前が選ばれました。 ー岩田さん自身も壁を感じられていたということですが、UNLICSの開発・運営に携わっているメンバーにもそのような方は多いのでしょうか。 そうですね。当時UNLICSに関わっていたメンバーの中にも、「ヘアセットや洋服には気を遣う人が多いけど、メイクやスキンケアに時間をかける人はあまりいないよね」という思いを持っていたり、「学校にメイクしていくと、ちょっと好奇な目で見られた」という経験をしたりした人はいます。 「興味はあるけどできない」という人もいるので、そういった環境のせいでできないのかなと感じています。