ジェイク・ダイソンが語る、新型ヘッドホンから「空気清浄機能を省いた」理由
ダイソンが「初のオーディオに特化したヘッドホン」Dyson OnTracを、英国に続いて日本でも発売した。ダイソンがあえてオーディオに特化したことを強調する背景には、2022年に同社の得手である空気清浄機を一体化したヘッドホン「Dyson Zone」を発表・発売したことに関係している。 【画像】「ダイソン初」のオーディオに特化したヘッドホン、Dyson OnTrac Dyson OnTracに空気清浄機能はない。代わりにダイソンがものづくりの原点に立ち戻って「快適さとユーザーの耳の健康を追求したヘッドホン」なのだと、来日したチーフエンジニアのジェイク・ダイソン氏が、日本のメディア向けグループインタビューの場で語った。 ■空気清浄機を省いた「オーディオ特化」のヘッドホン Dyson OnTracは密閉型のアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能付きワイヤレスヘッドホンだ。空気清浄機能を省いた代わりに、本体の質量は空気清浄機用のシールドを装着したDyson Zoneの670gよりも大幅に軽い451gになった。だからといって他社の同カテゴリー製品に比べて特別に軽いわけではないが、クッション性の高いイヤーパッドのおかげで心地よい装着感が得られる。 音質は極めてクセがなくニュートラルだ。ただ、Dyson Zoneよりも低音域が少し豊かになって、より音楽が楽しく聴けるヘッドホンになったと思う。ANC機能による消音効果はしっかりと強めに効く。 本体色は全4種類を揃え、別売の色鮮やかなアウターキャップやイヤーパッドを交換することで外観のカスタマイゼーションが楽しめるのも特徴だ。 Dyson OnTracの販売価格はオープンだが、ダイソンの直販サイトでは税込7万4990円で発売中だ。ANC機能付きのワイヤレスヘッドホンとしては高価な商品だと言える。 ■自慢のエンジニアリング技術による軽量化 Dyson Zoneは新型コロナウイルス感染症による影響がまだ続く中、世界中で多くの人々が「屋外の空気の質」に対する関心を高めている2022年春に発表された。ダイソンはコロナ禍の以前から本機の開発をすでにスタートしていたこともあり、Dyson Zoneについて新型コロナウイルスの除去効果に関するテストは行っていない。 にもかかわらず本機が注目された理由は、口もとを覆うマスクのような着脱可能なシールドを含む外観が奇抜だったこともあるが、ダイソンが誇る空気清浄機の技術を一体化した他に類を見ないヘッドホンだからだ。 オーディオに特化して開発したヘッドホン、Dyson OnTracの「ダイソンらしさ」はどこにあるのだろうか。ジェイク・ダイソン氏は「洗練されたプロダクトデザインと卓越された精密加工エンジニアリングの技術」であると答える。