鳩山由紀夫元首相は、なぜ政権の運営に失敗したのか…? 「善人」が政治に失敗する「納得の理由」
民主党政権を生んだメディアと国民の責任
鳩山政権が、発足からわずか9か月弱しか持たなかったのは、この国にとって幸いだった。だが、その後も民主党政権は、菅直人、野田佳彦の二代、計3年3か月も続き、「失われた30年」を決定づけてしまった。 そんな鳩山政権が発足した直後の支持率は70%を超えていた。 天下分け目となった平成21(2009)年の総選挙前、産経、読売両新聞を除くと、民放テレビを含めてほとんどのメディアが、自民党から民主党への政権交代があたかも「善」のように報道した。 政権公約と訳された「マニフェスト」も大流行となり、マニフェストづくりに熱心に取り組んだ民主党に追い風が吹いた(結局、このマニフェストが民主党政権発足後、「選挙で約束したことがまったくできていない」という民主党に投票した有権者の強い不満を買うことになるのだが)。 このときのメディアは常軌を逸していた。同時にメディアに踊らされて民主党に投票してしまった当時の有権者もまた大いなる責任を有しているのである。
乾 正人(政治コラムニスト・産経新聞上席論説委員)