「THE W」決勝初出場の忠犬立ハチ高 2人とも別大学なのに…東大〝落語研究会〟出身の理由
日本テレビ系で今月10日に生放送される女芸人No.1決定戦「THE W 2024」で、見事に決勝進出を果たしたのが「忠犬立ハチ高」だ。高校時代に結成し、ともに高学歴の女性コンビだが、どういうわけか2人とも通っていない東京大学落語研究会に所属してお笑い活動を行っていたという。いったいどういうことなのか? 不思議な経歴を持つ2人に話を聞いてみると――。 【写真】「THE W」準決勝進出した現役女子高生 忠犬立ハチ高は岩手県出身のノムラフッソ(27)と王坂(27)のコンビ。県内一の進学校・盛岡一高の演劇部で出会った。ノムラは山梨大医学部、王坂は上智大文学部卒と高学歴だが、大学時代は東大の落研で〝学生お笑い〟にいそしんだ。2人とも通っていない大学のサークルで活動したのはなぜか? ノムラは「これにはワケがありまして」と言う。 「私は東大志望だったんですが、現役の時は不合格。1浪しても東大に行くつもりだったので、現役で上智大に受かった王坂が先に入部した。東大の落研はインカレサークルで他大学でも入れるので、『先に入って待ってるよ』と熱い感じで」 だが、1浪でも東大に落ちてしまい、後期日程で山梨大医学部に入学。さらに王坂の待つ東大落研にも入部した。 「ずっと岩手にいたので、関東の土地勘がなく山梨はもっと東京に近いと思ってたら、山が間に2個あって…。往復3時間くらいかけて東京に行ってました」 入りたかった大学のサークルに入るのは抵抗はなかったのか? ノムラは「山梨大にお笑いサークルはなかったし、東大の学食とかも使いたくて」。王坂も「私が入っちゃってて、入り直すのも面倒くさいし」と話した。 医学部だけに授業も大変だ。「医学部は6年通うんですけど、4年生くらいから実習がある。平日は朝から午後5時くらいまで病院で手術を見たりして、それから特急に飛び乗って東京でお笑いライブに出てました」 芸人を目指したきっかけは、高1の秋に王坂が誘ったこと。「ノムラは医者になるって聞いてたけど、お笑いが好きとも聞いて『一緒にやれるかも』ってひらめきがあった。高1の秋にイチかバチか『医者をあきらめて、お笑い芸人になってくれないか』と言ったら、意外と本人もやりたかったようで」。 ノムラは「やりたい気持ちはあったので、メッチャうれしかった。ただ親は、悪い友達にそそのかされたと(笑い)」。 将来はプロの芸人と決めていたが、それでもノムラはしっかり国家試験を受けて医師免許も取得した。「でも、在学中にグレープカンパニーに所属できたので、国家試験を受けた時はもうプロの芸人でした」 ちなみに忠犬立ハチ高というコンビ名は、当時の演劇部の部長が付けたという。「部長は高校演劇界では有名でカリスマ的存在で、通っていた県立盛岡一高をモジって忠犬立ハチ高。いま思うと正直ダサいけど、カリスマだから妄信してて『いいっすねえ!』と」。 今年、念願だった「THE W」で決勝進出を果たしたが、これまでは準決勝に進んだこともなかった。王坂は「結構、悩みましたね。女性だけの大会で、参加者も少ないのに上がれなかったので」。ノムラは「ひょっとして私の見た目で『男性が出てる』と思われたのかと思ってました。失格になってると」と話した。 初の準決勝から一気に決勝進出まで果たしたが、まだ満足はしていない。もちろん目指すのは優勝だ。王坂は「ここで決めたいですね。やっぱ一発で!」と意気込んだ。 とはいえ、決勝にはキンタロー。やエルフ、ぼる塾、おかずクラブなど知名度のある芸人が多くいる。しかし、ノムラは「同じ事務所のサンドウィッチマンさんやお見送り芸人しんいちさんも賞レース、初の決勝で優勝してるので、私たちも!」と目を輝かせて話した。 ☆ちゅうけんりつはちこう ノムラフッソ:1997年4月13日生まれ、岩手県盛岡市出身。王坂:1997年5月15日生まれ、岩手県釜石市出身。盛岡第一高校演劇部で出会いコンビを結成。大学時代は東京大学落語研究会に所属し大学お笑い界で活動。グレープカンパニー所属。
藤野達哉