知床国立公園が60周年記念事業、世界遺産20周年も、2年にわたって良質な自然体験を訴求、自然保全やリスク管理の重要性も発信
知床は人生観が変わる場所
周年事業の開始に合わせて実施されたメディア向けフォーラムでは、関係者によるトークショーも行われた。羅臼町の湊屋稔町長は「知床は自然環境が厳しい場所だが、人生観が変わる場所でもある。その瞬間を感じてほしい。また、地域の人たちの話に耳を傾けて、知床の環境を学んでほしい」と呼びかけた。 斜里町の山内浩彰町長は、「みどりと人間の調和を求めて」を斜里町のまちづくりの考え方として紹介。「知床は自然からさまざまな恩恵を受けている。国立公園60周年、世界遺産20周年で培ってきたものを多くの人と共有していきたい」と意欲を示した。 アウトドアブランド「ノースフェイス」を展開するゴールドウィンの渡辺貴生社長は、地域の人との交流で新たな学びを得ることがアウトドアの意義としたうえで、「自然は美しいものだが、厳しいものでもある。自然に入る時、その地域に暮らしている人たちのことを思う謙虚さが大切」と強調した。 全国でキャンプフィールドを展開し、「野遊び」を提唱するスノーピークの山井太社長は、「デジタル時代のなかで、究極のリアル体験をすることがアウトドアの意義だろう。子供たちを中心にアウトドアの人口を増やしていく必要がある」との考えを述べた。
トラベルボイス編集部