「100%不安だけど」安定した給与を捨て新たな笑い求めた芸人・誠子の今 フリー転身して「繋ぎたかったこと」
結局、何か不満があって解散したわけではなく、より自分が新しいことにチャレンジする解散、ポジティブな解散だなと思いました。 ── コンビを解散して、さらに吉本興業を退所してフリーで活動しようと思ったのはなぜでしょうか。 誠子さん:私のチャレンジでしょうね。解散するんだったら、私の人生を意味のあるものにしたかったんです。15年吉本にいて、ある程度、芸歴を重ねてきて、自分でもびっくりするような未知なるチャレンジってなんだろうって思ったら退所だなってパッと思いました。吉本とエージェント契約をして続ける方法もありましたが、あえて不安なことをやりたかったんですよね。未知すぎてワクワクすること。芸人1年目のころみたいな。
それでも解散の話が出て1週間は考えたのかな。考えても心の中でフリーへの気持ちが強かったのでマネージャーに退所の意思を伝えると、めちゃくちゃびっくりされました。吉本の社員にも仲のいい人が多いので「マジすか?」ってすごく止めてくれたんです。私も会社に不満があるわけではなかったので泣いてしまったし、いったん考え直すことにしましたが、やっぱり家に帰って考えると気持ちが固まっていましたね。 あと、今所属している芸人さんにも伝えたかったんです。芸人を辞めても違う職業、たとえば飲食業でも販売でも、お客さんを笑顔にする仕事をしていたら、やっていることは一緒だと思うんですね。でも、吉本を退所して、さらに芸人を辞めた人はどこか引け目を感じてしまうのか。疎遠になってしまうことも珍しくなくて、それは悲しいと思ってました。だから芸人を続けてる子も、辞めた子も、みんな繋げられたらいいなと思っていたし、辞めた子もみんなと関わりやすい環境が作れたらいいなっていうのはありました。
■「自分はどこにいくんだろう?」って思うけど ── 新たに環境を変えて。 誠子さん:ある程度、予測がつく現場も増えて、それは経験としてはプラスなんですけど、さらに新しいものを生み出したい。新しいエンタメを作りたい思いが常にあったので、場所を変えて、思いきったことをしないと新しいものには出会えないって漠然と思っていたんです。新しいチャンスに出合うタイミングなんじゃないかって。 ── フリーになる前に、これがしたいというものは具体的にイメージしていましたか?