食中毒対策は加熱するだけではだめ? 熱に強い食中毒菌「セレウス菌」を管理栄養士が解説
セレウス菌食中毒を防ぐポイントは?
編集部: 食中毒に気を付けるのは、外食時などでしょうか? 河原さん: 確かに食中毒と聞くと、レストランなどの飲食店で提供される料理が原因と思われがちです。もちろん外食時も気を付けてほしいですが、家庭内の食事でも食中毒は発生していて、どこにでも危険はたくさん潜んでいます。 家庭で発生する食中毒の場合は症状が軽く、発症する人も1~2人のことが多いので、風邪と間違われやすくなります。しかし、食中毒と気づかないまま放置してしまうと、ひどい場合は重症化や死亡する例もあるので気を付ける必要があります。 編集部: 家庭でのセレウス菌による食中毒に対して気を付けるポイントはありますか? 河原さん: 食中毒の予防の三原則は菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」ですので、これに則って調理をしましょう。まず、購入する食材は新鮮なものを選んでください。購入後はすぐに冷蔵・冷凍庫にいれることで、菌の増殖を抑制することができます。 調理スペースは清潔にして、生ごみはこまめに捨ててください。調理前は必ず手指を洗い、タオルも新しいものを使いましょう。食材はよく洗い、加熱後はすみやかに食べるようにして常温放置を避けてください。 手作り料理はなるべくその日のうちに食べ、食べない場合は必ず冷蔵庫で保存しましょう。米飯料理やパスタ料理の作り置きは避け、酸っぱい匂いやいつもと違う匂いを感じたら、食べずに処分してください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 河原さん: 細菌は目に見えない生き物なので、適切な保存・調理方法で食中毒を起こさないように気を付けるしかありません。ですが、正しい方法で調理をおこなえば、さまざまな食中毒を防ぐことができます。 また、食中毒が起こった際にも、適切な方法で処置をおこなえば軽傷で済みます。ただし、症状がおさまらない場合は、放置せずに早急に医療機関を受診するようにしてください。