皇后雅子さま61歳に 被災者が安心できる日「一日でも早く」
皇后雅子さまは9日、61歳の誕生日を迎えた。これに先立ち、文書で感想を寄せ、この1年を振り返った。 【写真】皇后雅子さまが61歳の誕生日を迎えるにあたり、宮内庁が天皇、皇后両陛下の写真を公開した=2024年11月27日午後、御所、宮内庁提供 能登半島地震で被害を受けた石川県には、天皇陛下とともに3月と4月に訪問。「被災された方々が安心して生活できる日が一日でも早く訪れるように」と願った。9月には大雨による被害が発生し、心を痛めているという。 来年1月には、能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年を迎える。皇后さまは、「当時の被害の大きさを改めて思い起こし、犠牲となられた方々を追悼するとともに、被災された方々への支援や、今後の防災・減災について考え、備えていくことが大切なのではないかと思う」とつづった。 11月には三笠宮妃百合子さまが逝去した。「寂しく思っている」とし「長年にわたって私たちを温かく見守っていただいた」と感謝を述べた。 今春学習院大学を卒業し、日本赤十字社で働き始めた長女愛子さまについては「仕事についてもやりがいを感じながら励んでいる様子をうれしく思う」とつづり、「これからも健康に気を配りつつ、社会人として様々な経験を積みながら、皇族としての務めを果たすべく努めていってほしい」と願いを込めた。 印象に残った出来事としては、スポーツの話題を挙げた。メジャー史上初の50本塁打、50盗塁「50―50」を達成した大谷翔平選手について触れ、「こうした若い人たちが日々の努力の積み重ねにより新たな世界を切り開いていく姿は、多くの日本の人たちに明るい希望と勇気を与えてくれた」とつづり、パリ五輪・パラリンピックでの日本の選手の活躍にも「感銘を受けた」という。 2004年に適応障害と診断され、治療を続けてきた皇后さまの体調について医師団は、誕生日に合わせて「見解」を公表。「依然として体調に波があり、大きい行事の後や行事が続いた場合には、疲れがしばらく残ることがある」という。 宮内庁は、皇后さまの予定が立て込まないように日程を組んでいるといい、6月の英国訪問では、出席する行事を見極めるなどして調整したという。(河崎優子)
朝日新聞社