【独自取材】ドラマでも話題の“地面師” 『法律屋』『道具屋』『銀行屋』…10名前後でグループを形成、その驚きの巧妙手口を専門家が解説 プロもお手上げの偽造スキルには“元プロ”が関与?「確実に防ぐのは困難」
フィリピンから帰国し、日本で逮捕された一人の男。仲間と共謀し及んだとされるのが、土地の所有者になりすまし不動産会社から大金を騙し取る、いわゆる“地面師”詐欺です。『ミヤネ屋』は、ドラマで話題の地面師のリアルを追ったノンフィクション作家を独自取材。大胆かつ卑劣な犯行の全容とは―。 【卑劣】逮捕者続出ホストクラブで使用されていたマニュアル『一撃講習』 “素人女性”の女心を巧みに利用し、落とし・脅し・毟り取る、その卑劣な中身とは?【写真で見る】
■1億2300万円を騙し取った“地面師グループ” 仲介役の男を逮捕
2024年11月15日、逃亡先のフィリピンから帰国した際に逮捕された71歳の男。警視庁によると、2013年に仲間と共謀し、横浜市にある土地を「所有者が売却を希望している」と嘘を言い、不動産会社から1億2300万円を騙し取った疑いなどが持たれています。 さらに、不動産会社の信用を得るために、土地の所有者の運転免許証などを偽造したとみられ、警視庁は認否を明らかにしていませんが、別の詐欺事件にも関与していると見て捜査しています。 この地面師グループ中で71歳の男は“仲介役”で、“地主のなりすまし役”は既にこの事件や別の事件で逮捕されている受刑者の男だったということです。
■ノンフィクション作家・森功氏への独自取材で見えてきた『地面師らの手口』
不動産を巡って巧みに大金を騙し取る“地面師”は、『Netflix(ネットフリックス)』オリジナルドラマの題材となり、注目を浴びています。本物の地主が知らぬ間に土地の売却などを進めるこの詐欺は、一体どのような手口で犯行に及んでいるのでしょうか。
実際の事件の手口などをまとめた著書を出版している、ノンフィクション作家・森功氏によると―。 (ノンフィクション作家・森功氏) 「地面師はグループを形成するんです。弁護士や司法書士など法律に長けた『法律屋』、印刷会社を請け負う『道具屋』、あとは口座をうまく作ったり金銭の手配をする『銀行屋』など、いろんな役割分担をして、それを集めるのがリーダー格です」
今回の事件での具体的な構成は不明ですが、森氏によると、地面師グループの裏には反社会組織がいます。グループは10人前後で構成され、役割を分担して犯行に及びます。主犯格はリーダー・その下にいる“なりすまし役”の手配や演技指導を行う『手配屋』、そして『地主のなりすまし役』です。『法律屋』『道具屋』『銀行屋』の他にも交渉役の『取引の仲介役』や土地情報をリサーチする『情報屋』などがいて、横の繋がりは希薄だということです。 (森氏) 「横の連絡を、あまり取らせないようにしている。後々、芋づる式に犯行がバレてしまうことを嫌がるし、『頼まれたからやっただけ』という言い訳として成り立つような仕組みを作ります」
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