【独自取材】ドラマでも話題の“地面師” 『法律屋』『道具屋』『銀行屋』…10名前後でグループを形成、その驚きの巧妙手口を専門家が解説 プロもお手上げの偽造スキルには“元プロ”が関与?「確実に防ぐのは困難」
■地面師の手口①「地主なりすまし役は“スカウト”で調達」
そして、地面師たちの巧妙な手口というのが―。 (森氏) 「地主なりすまし役は、詐欺師ではないです。前科・前歴があったら、地主なりすまし役にはなれないから、素人を連れて来るんです」
森氏によると、地主なりすまし役には、金に困っている一般の高齢者を誘い込むケースが多く、その際に温泉街の人脈を使うケースがよく見られ、お金に困っている仲居さんを説得し、なりすまし役にすることがあるということです。
■地面師の手口②「なりすまし役に演技指導」「交渉に“愛人役”で同席も」
さらに―。 (森氏) 「生年月日や住所、自分が住んでいる所の環境、例えば近所にスーパーがあるとか、そういうことまで覚え込ませます」
(森氏) 「取引現場で話さなきゃいけないので、そういう演技をさせる。でも、素人だから演技にも限界があって、やっぱり穴があるわけですよ。それを、どうサポートするか」
(森氏) 「身内として、取引現場に立ち会う。舞台装置ですよね。“一つの脚本を書いて、舞台装置を作る”というのが、彼らのやり方です」 また、地面師自身が“地主の愛人役”となり、打ち合わせの場に同席して、何かミスが発生したときにフォローできるようにする事例もあるということです。
■「確実に防ぐのは困難」地面師らの偽造にプロもお手上げ 今後の対策は…
土地の売買に必要な主な書類には、『本人確認書類(運転免許証など)』『印鑑証明書及び実印』『土地の権利書』があります。 しかし、司法書士によると、「本人確認書類や印鑑証明書・実印は、プロの地面師にかかれば偽造可能。また、土地の権利書は紛失した場合でも代替方法があり、確実な本人確認方法はない」ということです。 また、「ICチップ付きカードを読み取るなど、既に精度の高い本人確認方法はあるが、全ての人がカードを持っていないため、読み取りが義務化されていない。カードが普及すれば、防止効果になる。しかし、確実に防ぐのは困難」だとしています。
Q.不動産業者や司法書士といったプロが書類を見て「問題ない」となるわけですから、素人は騙されますよね? (『読売テレビ』高岡達之特別解説委員) 「よくある話ですが、不良退職者の元プロがいます。例えば、『銀行屋』には職場でトラブルを起こして辞めた元銀行員がいて、今勤めている人と変わらない知識を持っていますから、どういう所が見られるかも詳しいです」 Q.ICチップ付きカードといいますが、それも偽造される可能性がありますよね? (高岡特別解説委員) 「それに、日本人は書式が好きです。警察がよく言いますが、詐欺商法の被害者が『とてもキレイなパンフレットだった』と。そんなのは、すぐ作れます。さらに、はんこ文化で、『はんこが』『実印が』と言いますが、それも作れます。だから究極は、人間の体です。ICチップよりももっと正確な『顔認証』などで登録するような時代にならないと、難しいと思います」 (「情報ライブ ミヤネ屋」2024年11月18日放送)
【関連記事】
- 【独自解説】ついにアメリカ追放?ヘンリー王子夫妻がポルトガルに豪邸購入&移住報道 一方メーガン妃は一話3000万円ドラマ出演の契約を拒否?「自分の思い込みもあるが、かなりの“大物”になっている」
- 【ナゼ?】「当たり前の生活ができなくなった」全国各地で『薪ストーブ』によるトラブル続出中⁉神奈川や千葉では議会で取り上げるほどの騒動になるも、自治体は“お手上げ状態”…その理由とは?
- 【物議】利用客からクレーム殺到!「納品2日前にドタキャン」「返金もされない」全国展開の老舗仕出し割烹に相次ぐ怒りの声!提携店には半年以上、売上金の未払いも「200万円以上」「電話もつながらない」本部を直撃取材、その回答とは…?
- 【なぜ?】アスファルトと砂利道の狭間で揺れる京都『哲学の道』 整備検討で住民賛否「どこでもある道になる」「生態系を壊す」一方で「小石で窓が割れた」「車イスで通りにくい」の声も…
- 【独自解説】「信用できない」「演出しすぎ」兵庫県・斎藤知事の再選で見えた“テレビの曲がり角” 来たるSNS・AI時代に考えたい2つの『法』とメディアのあり方