人気なし、恋人なしの落語家描く「みんな笑え」予告公開 三遊亭小遊三らがコメント
人気なし、野心なし、恋人なしという50歳の落語家を主人公にした映画「みんな笑え」の予告編がYouTubeで公開された。 【動画】映画「みんな笑え」予告編(90秒バージョン)はこちら 本作では、認知症によって引退した師匠かつ父の介護を担う落語家・太紋が、売れない若手漫才師・希子と出会い人生を見つめ直すさまが描かれる。今作が主演デビュー作となる野辺富三が太紋役で起用された。希子役で辻凪子、父役で渡辺哲が共演したほか、今野浩喜、今川宇宙、和田光沙、杉本凌士、片岡礼子もキャストに名を連ねる。「くそガキの告白」「生きててよかった」の鈴木太一が監督を務めた。 このたび野辺、辻、片岡、渡辺のコメントが到着。野辺は自身の過去を振り返りつつ「つまるところ鈴木太一監督の手による奇っ怪落語映画の主演をやらせてもらう事になったのだから、やはりやめる理由もなく惰性で30年続けてきたのも、今この時になって初めて、良かったって言えるのかもしれない…」と述懐する。また応援コメントとして落語家・三遊亭小遊三らからのメッセージも届いた。詳細は下部に掲載した通り。 「みんな笑え」は2月8日より東京・K's cinemaほか全国で順次公開。 ■ 出演者コメント □ 野辺富三 コメント 私が初めて出演料をもらって出演した舞台は1994年の日生劇場で上演されたシェイクスピアの「オセロー」だった。 以来30年、バイプレーヤーにも遠く及ばない端役専門の舞台俳優をやめる理由もなくただただ惰性で続けてきたのは映画の中の勘太(太紋)と同じような境遇なのだろう、私には偉大な先代である父はないけど。 長く続けていれば良いかと言うと必ずしもそうではないのだが、やめないでやっていれば役者仲間が映画監督になったりプロデューサーをやったりして鈴木太一氏のような奇才と引き合わせてもらえたりするのである。 つまるところ鈴木太一監督の手による奇っ怪落語映画の主演をやらせてもらう事になったのだから、やはりやめる理由もなく惰性で30年続けてきたのも、今この時になって初めて、良かったって言えるのかもしれない… □ 辻凪子 コメント 監督の鈴木太一さん、主演の野辺富三さん、魅力的なぶきっちょな二人の人柄に惚れて出演を決めました。 私自身、なりたいけどなれなかったお笑い芸人さんになって、この作品の中で生きています。 あるシーンの野辺さんの姿を見て、この映画はいける。と確信に変わりました。 人を笑わせるのはとても難しい、でも笑ってもらおうと必死にもがいてる姿こそが面白い。 この映画がどんな風に観客の心に届くのか、とても楽しみです。 □ 片岡礼子 コメント 野辺富三さんと鈴木太一監督おふたりがどんな思いでこの落語の物語を紡ぎだしたのか。 おふたりに惚れ込んだという辻凪子さんの漫才にかけた熱き魂。 この3人をしっかり包込んでくれる奇跡の面々のスタッフさん共演の皆さまの現場。個人的に渡辺哲さんと再会熱! スクリーンで観て映画の中の何かが羽ばたいて行ったような感覚がありました。 うまく言葉に出来ませんお客様に届いた時なにが起きるのか見届けたい。劇場で会いましょう! □ 渡辺哲 コメント 浅草演芸場の高座での落語シーンがあり、興奮しました。 その緊張感、爽快感はいまだに忘れられません。 鈴木太一監督の脚本、演出に出会えて嬉しかった! そして野辺富三、最高! みなさん大いに楽しんで下さい。 ■ 応援コメント □ 三遊亭小遊三(落語家)コメント 一度でも平日の寄席に行った事のある人は思い出して頂きたい。何となく退廃的で無気力な空間。 どんどん座席にめり込んでいく様な空気。そんな雰囲気はどこから生まれるのか。 この映画を観ると解るかもしれない。寄席の笑いは一瞬ではない。 □ 桂米助(ヨネスケ)コメント この映画は、今の世の中、介護と格差社会、適応障害など現在の社会問題を凝縮した作品です。 ただ本職の落語仲間が何処へ出て来るのか楽しみに見てください。 最後のサゲが落語です。どのネタかは?見てからのお楽しみ。 □ 春風亭昇太(落語家)コメント どうしょうもない、情けない人しか出てこないこの映画は、なんだかリアルで、なんだか切ない。 □ 林家たい平(落語家)コメント 生きていくって大変だ。でも大変だから生きていくことが楽しいんだと思う。 その生き方のお手本がたくさん詰まっているのが落語。 最後に笑って、楽しかったって思える人生が一番幸せだ!って教えてくれる。 □ 塙宣之(ナイツ)コメント 落語、漫才は人が人前で行う究極の体験発表。苦労を笑いに転換出来る。 人が考えた最高の知恵であり最高の武器。その為に人と関わって生きていく。 また人が好きになりました。 □ 神田伯山(講談師)コメント 何にもなくても、落語さえあれば希望がある。 渡辺哲さんの演技に打ちのめされました。 (c)2024 映画「みんな笑え」製作委員会