GUがニューヨークに初の旗艦店 その舞台裏に密着【WBSクロス】
特集・WBSクロス、今回のテーマは”世界進出のカギ”です。ファーストリテイリング傘下のGUが、海外で初となる旗艦店をニューヨークにオープンしました。今後、世界での売上高を現在の3倍以上となる1兆円とすることを目標に掲げるGUにとって成長のカギとなるのが海外市場の拡大で、ニューヨークでの成功は至上命題と位置付けられています。その一大プロジェクトの舞台裏に密着しました。 GUにとって初となる海外の旗艦店。勝負の場所に選んだのはファッションブランドの激戦地ニューヨークのソーホー地区です。GUの柚木治社長は「アメリカで成功できるかどうかがGUがグローバルブランドになれるか決める」と話します。 ニューヨーク店は日本の平均的な店舗と同じ規模の売り場面積に、厳選したおよそ300商品を揃えました。特に意識したのが「マネキンが100体くらい。この大きさの店にしては通常の数倍多い」(柚木社長)。多様性の街ニューヨークで受け入れられるように、人種やジェンダーを問わないコーディネートを提案する場を目指したといいます。 背景にはある挫折があります。GUは2022年に期間限定店舗を今回と同じニューヨークのソーホーに出店。日本の人気商品を持ち込み、まずはGUを知ってもらう戦略で挑みましたが「世界で流行っているものが抜けていたり、日本は体型や肌を隠すが世界は違う。違うことだらけ」(柚木社長)だったといいます。
そこでGUが取り組んだのが「世界共通で売れる」商品作りです。去年、ソーホーに商品開発の拠点を新設。ニューヨークの街中から最新トレンドをいち早くつかむリサーチスタッフも置きました。 「ソーホーにはファッションリーダーが街中にいて、新しい店舗も日々オープンしている。ここに拠点がある意味は大きい」(GU USグローバル本部商品開発のジョアンナ・クラークさん) そうして生まれた目玉商品が「バレル・レッグ・パンツ」。ニューヨーク本部でトレンドをキャッチして開発した商品で、樽のような独特のシルエットが特徴です。GUらしい手頃な価格を意識し、物価の高いニューヨークとしては割安の35ドル(約5000円)で売り出しました。 「バレル・パンツをはいてみたかった。品質が高く、価格も手頃だ」(客) そしてもう一つ、ニューヨークで勝ち抜くための鍵を握るのが日本式の接客です。 「オペレーションとサービスはチャンス。特にこの価格帯でやっていることはどこにもない強み」(柚木社長)。