より良い看護へ意見交換 富山大付属病院に看護師グループ発足、交流サイト通じ院内に共有
富山大付属病院で、看護師が自主的に意見交換して職場改善につなげるグループが発足した。月に1度、外科や外来など21の部署のメンバーが看護の質向上などテーマを決めて話し合う。若手が日頃の悩みを打ち明けたり、気づきを得たりする場にもなっており、成果は交流サイト(SNS)を通じて病院全体に発信している。 仕事と育児の両立や人間関係など、働きやすい職場づくりに向けて職員の本音を探ろうと、看護部は昨年、職員760人を対象に2回にわたりアンケートを実施した。 その中で、「やりがいを実感できるために取り入れたら良いこと」や「上司・部下ともに話し合える環境のためにできること」について、立場を超えて話し合える雰囲気作りを挙げる声が相次いだ。これを受けて今年5月、副看護部長の柏崎由美さんと鹿島美友紀さんが中心となりグループを結成した。 名称は「はつらつナースワーキング」。年代の異なる25人が毎月第2水曜に1時間ほど集まる。10月は看護のやりがいについて話し合った。参加者からは「患者さんからの感謝」や「業務の中で先輩に褒められた」といった率直な意見が出た。
運営は全員が意見を出しやすいよう六つのグループに分け、年代が偏らないよう振り分けるなど工夫する。最初の頃は控えめな人も見られたが、今では全員が気兼ねなく発言しているという。まとまった意見は各科で共有するほか、イラストを取り入れてインスタグラムで分かりやすく伝えている。 主宰者の一人で教育担当を担う鹿島さんは「若手が仕事で何に困っているか、どんなことを学びたいのか明確になった」と効果を挙げる。柏崎さんは「看護する私たちが元気じゃないと万全なケアができない。より良い環境へ、今後も活動を続けたい」と話した。