意外にも津では優勝経験がない白井英治

＜14日・津ボート・5日目＞ 　4人が予選を突破した九州・山口勢は、準優でも11R1着の白井英治、12R2着の池永太と2人が関門をクリアし、最後の大一番へと駒を進めた。 　白井はさすがの安定感と勝負強さだった。準優はインから09と的確にSを踏み込むと、単騎ガマシから舟を伸ばした田村隆信の攻めにも心が乱れることはなく、インからしっかり先マイ。誰かの差しを許すもことなく、順当に1着でクリアした。 　不満があったターン回りも勝負どころを前に一気に充実。「5日目はペラが合って、足合わせの回り足でずっとやられていた菊地孝平君にもついていけるようになっていた」 　最高のムードに整えて迎える優勝戦は大事なミッションがある。全国24場制覇へ残り2場で、そのうちの一つが津。「そのこともあるから優勝したい。津は記念でも優出しているし、優勝がないだけで嫌いなイメージではない」。 　優勝すれば残りは住之江だけ。年末のグランプリで全場制覇を同時に達成なら最高のシナリオだ。

ようやく大会初優出の元高校球児・池永太

　池永は宮崎・延岡西高の元球児として思い入れのあるこの大会に5度目の出場でようやくの初優出。「何度も出ているのでそろそろ乗りたかった」という欲求をかなえた。 　宮崎県勢は高校野球の甲子園では春夏ともVがなく、「違う甲子園を自分が先に勝てたらいいな」。ポジションは投手。どんなタイプだったかを問われると「この細い体ですよ。技巧派に決まっているじゃないですか」と笑い飛ばした。 　ボートレースではストレート重視の強攻派が、野球で鍛えた巧みさをふんだんに披露し、深紅の大優勝旗を手にしてみせる。