阪神・藤川球児監督、マンツーマン指導第2弾 及川雅貴投手を縦直し
阪神・藤川球児新監督（44）が27日、甲子園での秋季練習で及川雅貴投手（23）に直接指導を行った。25日の椎葉に続く〝球児塾〟第2弾ではキャッチボールを行う際に手取り足取りで助言し、投球の基礎をたたき込んだ。 伸び悩む男を飛躍に導こうと、その手を差し伸べた。甲子園で開かれた〝球児塾〟第2弾。25日の椎葉に続き、藤川新監督がマンツーマン指導を施したのは、高卒5年目の及川だ。 「基礎的なことです。少しでも気付きが出ればいいなと」 キャッチボールを終えた投手陣が次々とノックへ移動するなか、指揮官の視線は一点集中。そのままボールを投げ続ける左腕に向かい、ときには腰付近を手で支え、体の使い方を伝授した。 気になったのは、体の動きが横振りだったこと。投球フォームがダイナミックな及川の現状の体の使い方は、対左打者には角度がついて武器にはなる。ただ「長くやっていくためにはデメリットになると思う」と指摘。縦方向の動きを反復し、基礎をたたき込んだ。 個性を否定するわけではない。2人の共通点は高卒2年目で1軍デビューを果たしたこと。だが、指揮官はその後に苦節の年月を過ごした。「早くにデビューした選手は基礎の時間を少し置いてしまう。プロで生き抜く本物の強さを見つける期間をちゃんと取らないと、選手寿命は短くなってしまう。僕もその部分は同じように経験しているので、何とか伝えられたら」。今季は先発初勝利を挙げながら1軍に定着できなかった23歳のポテンシャルを評価するからこそ、〝一歩後退〟を求めた。 指揮官のスペシャルアシスタント時代にも助言を受けていた及川は「縦の動きにつながるような軸足の送り方の意識付けで（腰を）支えてもらった。改善すべきところがあるからご指導してくださったと思う。これからものにしていければ」と力を込めた。 〝球児塾〟で今季1勝、通算5年で6勝の左腕がひと皮むければ、自慢の投手陣はさらに強固になる。（須藤佳裕）
