患者連続殺人、元看護師の無期懲役確定へ 死刑求刑の検察が上告断念
横浜市の旧大口病院で2016年、点滴に消毒液を混入して入院患者3人を殺害したなどとして、殺人罪などに問われた元看護師の久保木愛弓(あゆみ)被告(37)について、東京高検は3日、一審の無期懲役を支持した東京高裁判決に対して、上告を断念すると発表した。被告側も上告しない方針を明らかにし、これにより被告の無期懲役刑が確定する。 東京高検の伊藤栄二・次席検事は「適法な上告理由が見いだせなかった」とコメントした。 21年11月の横浜地裁判決は、被告の責任能力を認めた上で、対人関係の対応力に困難があるなど自閉スペクトラム症の特性があり、うつ状態だったと認定。動機形成の過程や更生の可能性などを考慮し、無期懲役とした。今年6月の東京高裁もこれを支持し、検察側、被告側双方の控訴を棄却した。(金子和史)
朝日新聞社