加速する中国の中古車市場、事業参入には依然ハードル高く
3月25日、中国国務院が<関于促進二手車便利交易的若干意見>という政策を発表しました。「二手車」という漢字から、なんとなく中古車に関する話かな、という雰囲気は伝わるかもしれませんが、中国の中古車業界ではついに中古車市場を促進する政策が出たと話題になっています。 中国の中古車市場は2015年の総販売台数が約940万台に達し、2016年には1000万台に達すると言われています。近年着実に成長しているため、業界内ではずっと注目されていましたが、まだまだ中古車よりも新車の流通量が多いのが現状です。 今後はアメリカやドイツなどの車大国のように新車よりも中古車の市場の方が大きいモデルへの転換が予想されています。一方で、政策レベルで中古車市場を促進する動きは弱く、ユーロ4やユーロ5などの自動車排ガス規制の水準によって各省間における中古車の転出・転入を規制してきました。この規制により、中古車が中国国内各地の市場にうまく流通してこなかった現状がありました。 中国国務院が今回発表した政策は、北京や上海、広州など大気汚染の防止に注力するエリアを除き、2016年5月末をもちその規制を中止せよ、というのが主な内容でした。これによって、業者間における中古車の流通が促進され、市場が活性化すると業界内では歓迎されています。
今回の政策発表が業界関係者の間ではどのように受け取られているのか、上海市最大規模の中古車展示会場である上海二手車交易中心にて中古車店を営む獅達二手車経営(上海)有限公司の総経理シャン・ウェイさんに話を聞いてみました。 シャンさんは、幼少期は日本で育ち、日本の自動車部品メーカー勤務を経て、2015年5月より上海で中古車販売事業を始めました。シャンさんの想定では、中国全体の中古車市場は最低でも年間販売台数2000万台規模まで成長し、将来的には中古車のオークション運営に参加することを目標にしているそうです。