【Bリーグ】初優勝の広島を支えたドウェイン・エバンスの涙「この優勝はキャリアのハイライト」【バスケ】
「自分の心に決めたことは何でもできる」
2020-21シーズンに琉球に加入する以前は、ドイツで4クラブ、イタリアで1クラブの計5クラブを渡り歩き、行く先々でチームとしてはリーグ上位の成績を残してきたが、たどり着いた最高位はベスト8だった。 それが、琉球在籍2年目の2021-22シーズンに、エースとしてファイナルまで到達。そのファイナルでは宇都宮ブレックスにスウィープされ優勝には届かなかったものの、頂点まであと一歩だった。そんなクラブを離れ、オフに広島に移籍。そして今季、古巣相手のファイナルで初優勝をつかんだことには大きな縁を感じる。32歳にしてプロキャリア初のリーグ優勝。これは彼のキャリアにどんな意味をもたらすのか。そう問うと、エバンスはこう答えた。 「この優勝はキャリアのハイライトだ。これが全てだ。さまざまな困難がある。ここに来ることができて、チームにポジティブな方法で影響を与えることができた。アンダードッグとしてすばらしいことを成し遂げることができた」 その目には、かすかに涙がにじんでいた。 「まだ実感が沸かないよ。僕らが戦い続けなければいけなかったことを、みんなは知らないと思う。シーズンをとおしてここにたどり着くまでに選手として、チームとして本当に疑われ、見過ごされてきた。ありきたりに聞こえるかもしれないけど、自分を信じること、物事を本当にイメージすること(が大事だ)。自分の心に決めたことは本当に何でもできるんだ」 琉球で2年、広島で2年の計4年間を日本でプレーし、その間に日本を愛し、チームメイトやその土地を愛してきたエバンス。彼のキャリアハイライトが日本で生まれたことは、彼自身にとっても、ファンにとっても忘れがたい出来事になっていくはずだ。
写真/石塚康隆、取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)