東海地区初の「レベル4」開始 三重・多気 自動運転車両、ヴィソンで運行
三重県多気郡多気町は29日、ヴィソンの商業リゾート施設・VISONで、専用車両による自動運転の「レベル4」(限定された条件下での完全自動運転)の運行を、東海地区で初めて開始した。午前11時から行われた出発式では、久保行央町長や、自動運転車両「MiCa」を運行するソフトバンクの子会社・BOLDLY、ヴィソン多気㈱の関係者などが出席し、試乗した。 この取り組みは、国土交通省中部運輸局の自動運転社会実装推進事業の地域公共交通確保維持改善事業費補助金の採択を受けたもので、10月末には、BOLDLYが同省から、レベル4の車両認可を東海3県で初めて受けた。また、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構(UTmobl)と最先端技術の実装や共同研究を行う協定書も結び、新たな交通手段の在り方を模索している。 VISON内では、既にレベル2(部分的自動運転)を運行しており、29日からはMiCa1台で、今年度中には国内最大規模となる計3台での運行を目指す。 レベル4の運行ルートは、専用レーンと一般車道を含む片道約2.5キロで、VISON内を1周約15分で回り、時速は20キロ未満。乗員は7人で、レベル2は予約不要だが、レベル4の場合は乗車予約が必要となる。 出発式で、久保町長は「高齢化が進み、人材確保も課題となる中、いろんな公共交通に支障が出てくると思う。こういった課題を改善していけるよう、この事業が前を向いて進んでいくよう、お力添えを頂ければ」などとあいさつし、早速試乗した。