年間入園者数が3000万人を突破、東京ディズニーリゾートはなぜ驚異的なリピート率を維持できるのか?
■ 驚異のリピーター集客のポイント(1) 「感動体験」への継続的な投資 オリエンタルランドが投資家から高く評価されているのは、顧客からの支持が高く、そして安定していることにあります。 TDRの入園者数は、コロナ前には年間3000万人を超えていました。日本の人口は約1億2000万人ですから、1人1回来園すると仮定した場合、4年間で日本人全員が1回は来園する計算になります。 ということは、何度も繰り返し来園してもらえなければオリエンタルランドは業績を維持拡大できないわけですが、それをずっと実現してきたところに同社の凄さがあります。つまり驚異的なリピート率こそがオリエンタルランドの好業績の核心です。 リピート集客力の源泉は、言うまでもなく米ディズニーのコンテンツです。新作映画として生まれた新しいコンテンツのアトラクションを新設するなど、先行投資を継続することによって顧客を飽きさせず、「また来たい」とリピーター化することに成功しています。下の図の通り、毎年のように新しいアトラクションやショーを導入するなど、常にリニューアルを図っています。 アトラクションに対する先行投資はコロナ期にも途絶えませんでした。2020年から2024年の4年間で4000億円以上の投資を実施しています。コロナ真っ只中の2020年9月には、美女と野獣エリア、ベイマックスのハッピーライド、ミニーのスタイルスタジオがオープンし、さらに2021年4月にはファンタジーランド・フォレストシアターがオープンしました。これら4施設の総工費は約750億円にも達しています。 2024年6月6日には、東京ディズニーシーの新エリアとして「ファンタジースプリングス」が開業しました。 「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーターパン」を題材としており、3つのレストラン、ホテルも併設しています。その投資額は約3200億円に達し、TDR史上最大規模の拡張案件です。東京ディズニーランドの総事業費は約1800億円、東京ディズニーシーの総工費はホテルミラコスタを含めて約3350億円でした。