炎上は無関係でも巻き込まれる 超リアルな法律漫画『しょせん他人事ですから』
たびたび話題になる誹謗中傷や炎上、他人事だと思ってはいませんでしょうか? 筆者もそう思っていました、この漫画を読むまでは。 【画像】2023年の炎上した業種TOP5と発生原因 年間数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事に沿った漫画を新作・旧作問わず取り上げる連載「漫画百景」。 第四十二景目は『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』です。 弁護士を主役に、被害者と加害者、両方の視点からネットトラブルの顛末を追っていきます。 現代を生きるすべての人に関わる内容と言っても大げさではありません。全人類に読んでほしい、そんな本作を紹介します。
TVドラマも放送間近 リーガル漫画『しょせん他人事ですから』
『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』(以下『しょせん他人事ですから』)は、白泉社の電子漫画誌『黒蜜』で連載中の漫画です。 原作を『この世界は不完全すぎる』の左藤真通さん、作画を『19番目のカルテ徳重晃の問診』の富士屋カツヒトが担当。誹謗中傷や炎上事案を数多く担当してきた、弁護士の清水陽平さん(法律事務所アルシエン)が監修をつとめています。 単行本は累計210万部(電子+紙)を記録しており、7月19日(金)からは、中島健人さん主演のTVドラマがテレビ東京系列で放送される話題作です。 そんな本作の主人公は、普段はのほほ~んとした顔で、一見頼りがいがなさそうな弁護士の保田理(やすだ・おさむ)。「しょせん他人事」をモットーに仕事をする彼は、依頼者への対応がドライで感情を差し挟むことはありません。 そのため最初の印象はすこぶる悪いものの、依頼を受けるとなれば、そこはプロ、最後まで仕事をやり抜きます。 彼が弁護士の業務を補助するパラリーガルの加賀見灯(かがみ・あかり)と、切迫した事情を抱える人々の依頼に向き合う物語のなかで、現実でも日々世間を賑わせるネット上の炎上や誹謗中傷を描いていきます。 また、誹謗中傷の対応策でよく聞く情報開示請求や、「プロバイダ責任制限法」など、小難しいトピックを噛み砕く説明回もあるため、学びの取っ掛かりにもなります。 ドラマ化に際しては、監修者の清水陽平さんが以下のようにコメント。 「法律モノのマンガやドラマについては、弁護士からは『そんなのあるわけないだろ!』とか『ここはおかしい!』といった指摘がSNSなどを通じてされることがかなり多いのですが、徹底してリアルに拘りたいという原作の左藤さんの意向から、かなり厳密に法律に沿った内容になっており、幸いなことに(今のところ)そういった指摘は受けていません」 この実績だけでも、本作がいかに現実に則した漫画なのかがわかりますよね。じゃあ実際どんな事案が扱われてるのか? 以降、ネタバレ有りで触れていきます。未読の方はご留意ください。