少額の暗号資産投資がポートフォリオを改善する理由
シャープ・レシオへのメリット
暗号資産はボラティリティが大きいことで知られているが、ポートフォリオに組み入れ、適切に管理すれば、リスク調整後リターンを改善できる。これを評価する重要な指標のひとつが、リスクあたりのリターンを測定するシャープ・レシオだ。シャープ・レシオが高いほど、ポートフォリオのリスク調整後リターンが良好であることを示す。 2015~2023年のデータを分析すると、暗号資産に少額を配分したポートフォリオは、従来のポートフォリオに比べて、シャープ・レシオが0.5~0.8ポイント改善している。例えば、伝統的なポートフォリオのシャープ・レシオは0.75だが、ビットコインを5%追加することで、1.2程度まで上昇し、リスク/リターンの最適なバランスを示している。シャープ・レシオの上昇は、暗号資産の価格変動が従来の資産クラスと低相関または逆相関なことが多いため、優れた分散効果が得られることによるものだ。
分散投資によるリスク軽減
暗号資産は、インフレや伝統的な金融市場の下落に対するヘッジ手段としても知られている。特にビットコインは供給量が限られているため、しばしば「デジタル・ゴールド」と呼ばれる。インフレ期や経済が不安定な時期には、ポートフォリオに暗号資産を加えることで、株式や債券といった伝統的資産の下落を相殺できる。 結論として、ポートフォリオに暗号資産を加えることで、リターンが大幅に向上し、シャープ・レシオの増加が証明しているように、リスク調整後リターンが改善する。暗号資産には本質的なボラティリティがあるものの、ポートフォリオに適切に配分することで投資家に戦略的な優位性をもたらすことができる。 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:Shutterstock|原文:How a Small Crypto Investment Can Improve Your Portfolio
CoinDesk Japan 編集部